ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
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甲状腺機能亢進症の猫

2020-08-16 10:26:02 | 
家猫の14歳になるコブンが甲状腺機能亢進症になり、もう1年半ぐらい薬を飲み続けています。

コブンはやや白が多い茶トラ猫で、若い時はがっしりした体形でデブではないのですが6.3キロぐらいの猫でした。それが2年ほど前にからエサは食べているのに、体重が徐々に減っていったのです。

行動を見ていると元気そうで、体重が減るのは歳のせいかと思っていましたが、5キロ台になってしまい獣医さんに連れていきました。そこで診断されて出てきた病気が甲状腺機能亢進症でした。

それからメルカゾールといういう薬の4分の1錠を朝晩飲ませることが続いています。2,3か月に1回獣医さんに行き血液検査でマーカーとなるサイロキシン(T4)の値を測定して、薬の増減を調整しています。

ここでは猫の甲状腺機能亢進症について書いてみます。この病気の初期症状として、行動が活発になったり、食欲が増すが痩せていくといった一見病気のサインとは考えにくい症状が現れる病気です。

見過ごされることも多いのですが、10歳以上の猫を調べると10%以上はこの病気を持っているという調査報告もあります。甲状腺機能亢進症は、その名の通り甲状腺の機能が亢進つまり活発化してしまう病気です。

甲状腺は身体の代謝を活発にするホルモンを分泌していて、この病気になるとこのホルモンの分泌が増加します。そのため体の組織の代謝が亢進し、さまざまな症状が引き起こされます。

甲状腺は頸のあたりの甲状軟骨(ヒトではのどぼとけ)のすぐ下にある小さな組織で、左右1対あります。この病気は、片側または両側の甲状腺組織の過形成や腫瘍化などによって甲状腺が大きくなり、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。

そのため活発になる、落ち着きが無くなる、食欲が増進する、やせていくなどの症状がみられます。興奮しやすくなることから、目もパッチリ開いていることが多く、鳴き声も大きな声となるようです。

甲状腺機能亢進症になり病気が進行すると、体力が低下し食欲も落ち、やせて嘔吐や下痢を繰り返します。この原因は甲状腺の細胞が異常に数を増やしてしまうことで起こります。甲状腺の腫瘍化が分かりやすい例ですが、多くは良性で悪性のものは2%未満といわれています。

この確定診断にはホルモン検査が必要で、血液検査で調べることができます。甲状腺ホルモンには、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)があり、猫では血液中のT4濃度を測定します。

家のコブンはこの値が12ぐらいあり(基準範囲2.0〜5.0)、すぐ薬を与えなんとか5前後に収まっています。しかし体重は減り続け、現在は4.2キロまで痩せてしまいました。前回の健診では心臓に雑音が混じり、心臓機能が落ちているようです。

甲状腺の摘出手術もあると聞いていますが、コブンの歳では難しく薬で抑えながら長生きしてくれることを祈るしかないようです。