ごっとさんのブログ

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機械へ意識を移転し不死となるか

2020-08-24 10:26:17 | その他
人類の「寿命」をめぐる常識を塗り替える可能性のある日本初の研究が発表されました。

そのひとつは、Q神経を刺激することによる「人工冬眠」ですが、これは死や病気を遠ざける技術として期待はかかるものの、不老不死を実現するものではありません。

そこで登場するのが「機械への意識のアップロード」の研究で、東京大学の研究グループが発表しました。この研究は身体的な不老不死ではなく、意識を機械にアップロードし、その中で生き続けるという技術です。

実現のカギを握るのは、意識のアップロードの対象となる機械とそれを脳とを結ぶ装置、ブレーン・マシン・インターフェイス(BMI)の開発です。今年5月に「神経束断面計測型BMI」の特許が東京大学から申請されました。

このアップロードの方法は大きく分けて3ステップからなります。まず初めに意識の宿る機械を用意しますが、人の意識をアップロードする前から、その機械は意識を備えておく必要があります。

脳をコピーするには神経同士の接続の有無だけでなく、接続の強さまで読み取る必要があります。これを読み取るには非常に高い精度が求められるため、あらかじめ意識を持たせておくというものです。

そこにステップ2として自身の意識を一体化し、さらにそれを「自分色」に染めていくというステップ3となるわけです。まず赤ちゃんの機械をつくり、意識にまつわる様々な仮説をもとに学習の仕組みを加え、様々な体験をさせます。

視覚的な意識の構築なら、何万時間もの動画を見せて、必要とあらば仮想的な身体を加えても良いようです。そしてステップ2として、超高密度の情報の読み書きがが可能なBMIを右脳と左脳の間に挟み込み、人間の右脳と機械の左脳、人間の左脳と機械の右脳を接続します。

現在のデジカメに搭載されている程度のセンサーで、生体脳同士のもともとの神経接続をすべて再現できるといいます。

ステップ3は言い換えると「記憶の転送」となり、脳の意識と機械の意識が一体化しても、この時点での機械の意識はいわばニュートラルな状態で、本人の過去の記憶は脳の中にしか存在しません。

機械の中で目覚めたとき、無事に移植されたと実感するためには、記憶の転送が不可欠になります。これは脳の海馬から大脳皮質に転写されるという記憶の仕組みを機械に組み込むことで可能となるようです。

こうして人間の脳を完全に機械に転写できたとして、機械の中で生き続けることになるのかどうもよく分かりません。単に自分の脳と同じ記憶を持つ機械が出来上がるだけのような気もしますが、その機械も自己を持つのかもしれません。

ただこの操作は現在の最大能力のコンピュータでも不足のようですので、実現はかなり先になりそうな気もします。