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ごっとさんのブログ

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生活習慣病治療薬はコロナを悪化させるか

2020-08-07 10:24:17 | 
高齢になれば生活習慣病の薬を飲んでいる人も多くなりますが、この薬の中には免疫力を低下させるものもあります。

新型コロナウイルス感染症は、約8割が軽症で自然に治りますが、免疫力が弱い高齢者や持病がある人は重症化するリスクが高いといわれています。

持病を放置してはならないのですが、本来なら薬が不要な健康な人まで飲まされていることも少なくないようです。血圧やコレステロールが「基準値」より高いと診断されると、降圧剤やコレステロール低下剤を処方されますが、薬には副作用があり別の疾病を引き起こすこともあります。

血圧の薬は「正常範囲」が厳しすぎるという指摘が出ています。日本高血圧学会は正常血圧の範囲を、120/80としており、140/90以上だと高血圧と診断されます。この値を取ると全国では約4300万人が該当するとされています。

ただし英国の国立医療技術評価機構(NICE)などの指針では、160/100未満の人は、血圧を下げても予後が良くなるという証拠がないので、降圧剤は勧めないという話もあるようです。

コロナとの関連でいえば、当初から高血圧が重症化の要因とされ、ある種の降圧剤の関与が指摘されていました。コロナは肺や消化管ほか全身の組織にあるACE2という酵素に結合してヒトの細胞内に入り込みます。

降圧剤のARBとACE阻害剤は、このACE2を増やしてコロナに感染しやすくなる可能性があるという説もあります。最近ニューヨーク大学のグループが行った大規模の研究では、ARBやACE阻害剤は他の降圧剤と比較して、コロナの感染や重症化を増加させていなかったと結論付けています。

しかしこの研究データを見ると、高血圧の人の割合は、PCR検査で陰性者が9700人中1784人(26.6%)であり、陽性者は5894人中2573人(43.7%)となっています。また重症中の高血圧の割合は1002人中634人(63.3%)と非常に高くなっています(高すぎるような気がしますが)。

つまり高血圧の人はコロナに罹り易く、重症化しやすいという結果です。高血圧の症状そのもののせいもあるのでしょうが、どの降圧剤でも種類によらず感染しやすく、重症化する割合を高めている可能性があるといえます。

なかでもカルシウム拮抗剤は他の降圧剤と比べて重症化を約3割高め、統計学的に有意でした。この研究はそれぞれの降圧剤の相対的な危険度を調べたものなので、個別の降圧剤の害が目立たなかったようです。

ここでは降圧剤のはなしだけになってしまいましたが、糖尿病の薬も免疫機能を下げる薬が多く、コロナへの感染リスクが高まるとされています。

このコロナ問題を一つの契機として、高齢者は服用している薬を見直すことも重要かもしれません。