緊急事態宣言で感染拡大は止まるのか

新型コロナの感染者数は、東京だけでなく多くの道府県で過去最多を更新しています。

政府は6都府県に出している緊急事態宣言の期限を今月末から9月12日に延長し、新たに7府県を20日から対象地域に加えることを決めました。これでまん延防止措置まで加えると、日本の半数以上が何らかの制限が加わることになります。

この宣言と措置で感染拡大が止まるのかは、かなり怪しい気がしています。政府の対応としては「外出機会の半減」を呼びかけてはいますが、具体的には百貨店の食品売り場等の入場規制ぐらいしかありません。

国民は既に「宣言慣れ」しており、緊急事態であるという実感がわかないのではないでしょうか。専門家（医師会幹部など）はオリンピックが感染拡大につながった証拠はないといっていますが、これも不思議な発言と言えます。

外出しても良いかを迷ったときに「オリンピックが開催されているのだから」という心理が出るのは当然です。従ってどんなに人流削減を叫んでも、ほとんど減らないのはオリンピックの心理的効果と言えるのではないでしょうか。

ただし従来の感染対策はしっかり守られていると思いますが、その程度では抑えられないほど「デルタ株」の感染力が強いということかもしれません。

これからパラリンピックを中止するという選択肢はないようですので、さらに気分的には緩んでしまいます。新たに緊急事態宣言を出しても、有効と思える対策はなく従来の感染対策では防ぐことができないとすると、このままの感染者数が続きそうな気がします。

唯一の望みがワクチンですが、現在が国民の半数近くが接種していますのでなんとか集団免疫ができる70％程度進むまで待つしかないのかもしれません。

ワクチンについても色々な説が出ていますが、95％接種が終了しても集団免疫はできないなどと言っている専門家もいますが、根拠はないようです。

またワクチンは抗体価を上げて感染を防ぐために打っているわけではありません。あくまでも抗体を作る準備をして、ウイルスが入ってきてもすぐに抗体ができ無力化するために打っていると思っています。

従ってワクチンを打って抗体価が上がっても、いわば無駄なタンパク質である抗体を保つことはないはずです。最近は3回目の接種（ブースター）をして抗体価を上げるなどという意見がありますが、免疫学的には全く意味が無いことだと思っています。

ワクチンを打っても感染し（軽い症状が出る）、短時間でウイルスを中和して治るというのがワクチンの効果と思っています。ワクチン接種を進めて感染が収束することを待つのであれば、何のための緊急事態宣言なのか疑問が膨らんできます。