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アプリやトランプにも広がる「元素周期表」

2024-03-03 10:31:14 | 化学
元素周期表といっても教科書で見たことがある程度だと思いますが、私のような化学を専門にしていると馴染みが深いものです。

元素の性質が周期的に変化することを元素の周期律と呼んでおり、これを並べたものを周期律表と呼んでいましたが、現在は元素周期表に変わったようです。

私の知り合いの大学の女性の先生は、これを集めるのが趣味で先生の部屋の壁一面に貼ってありましたが、なかなかきれいなものでした。身の回りの物質はすべて元素でできており、周期表は「科学の扉」を開く格好の教材となるようです。

2016年には理化学研究所のグループが発見した113番目の元素が「ニホニウム」と命名され、新たに周期表に加わりました。この元素周期表を基にアプリケーションやカードゲームが開発されるなど、活用の幅が広がっています。

筑波大学付属の理科教諭は、情報通信技術(ICT)を用いた探求型授業の一環として「周期表アプリケーション」を製作し、授業で活用しているようです。ここで利用したのが一家に一枚の「元素周期表」ポスターです。

各元素が何に使われているかが描かれ、子供にもイメージしやすい利点があり、このポスターを元素ごとに切り取ってカード状にすればゲームになると発想しています。

各元素を一つひとつ切り出してランダムに表示させるなどして、元素記号の周期表上の正しい位置や手書き表記などを問うクイズ形式の授業を考案しました。

その後多くの学校現場で利用できるよう、アンドロイド端末などで使える周期表アプリを生徒ともに作成し、イオンや原子核まで深く学べるコンテンツに仕上げました。元素周期表はただ順番に暗記するのではなく、2次元のマトリックス(表)として触れるものです。

習うよりは慣れろではないが、ゲームを通して生徒が少しでも周期表に親しんでくれたらとの思いで、授業に工夫を凝らしているようです。また元素周期表ポスターを企画・制作した化学同人は、元素と素粒子が描かれたカードゲーム「えれめんトランプ」を発売しています。

元素や素粒子の美しいイラストとともに、その特徴が記されています。これを使って遊びながら自然と元素や周期表に触れられると人気なようです。

こういった動きがどれだけ化学(科学)に興味を持つ子供が出て来るかは、若干疑問のような気がします。

化学の基礎として元素記号と名前(例えばPbと鉛)を覚えることから始まりますが、それが自然にできたとしても、その重要性はそれほど高くない感じがします。面白い試みであることは確かと言えるでしょう。


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