ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

タバコの成分ニコチンに発ガン性はないのか

2024-07-23 10:31:42 | 煙草
ニコチンに発ガン性があるのかという議論は昔からありましたが、ニコチンは毒性が強いため投与するとガンになる前に死んでしまうというのが結論のようです。

研究者はなんとかニコチンでガンを発生させようとしているはずですが、そういった研究結果は聞いていませんので発ガン性はないといって良いのかもしれません。ここではニコチンと代謝物などの関連化合物についての話を紹介します。

ニコチンは植物性アルカロイドの一種で、ナス科の植物に含まれており、タバコもナス科の植物です。アルカロイドとは、進化の過程で植物が昆虫や草食動物など他の生物から食べられないように備えた防御物質です。

例えばナス科の青いトマトにはトマチンが、ジャガイモの青い芽にはソラニンが含まれ、どちらも強い細胞毒性を持つアルカロイドです。

品種改良されてきたナス、トマト、ピーマン、ジャガイモなどに含まれるアルカロイドは、タバコのニコチンに比べればごく微量であったり毒性を弱まるようにされ、これらの栽培植物を食べても身体への悪影響はほとんどありません。

ニコチンの毒性は体重1Kg当たりニコチン1〜13mgが成人の致死量とされています。ニトロソアミン類はニトロソ基を持つ化合物ですが、食道ガンや肝障害などを引き起こす発ガン性物質です。タバコにも特異的ニトロソアミンが含まれ、同様に喫煙による発ガンの有力物質として知られています。

栽培タバコ葉は、収穫後乾燥・内部発酵の糧を経て製品化されますが、各種のタバコ特異的ニトロソアミンはこの過程でタバコ由来のアルカロイドから化学的に生成されます。

1990年代後半から、ニコチンが喫煙者の体内で発ガン性物質であるタバコ特異的ニトロソアミンに変化するのではないかという研究が出始めました。これらの中には、マウスやハムスターなどの実験動物へニコチンを暴露させ、発ガン性を検証したものがいくつかあります。

最近の研究からは、ニコチンが代謝されてできるコチニンに肺ガン、子宮頸ガン、大腸ガン、胃ガンなどの発ガン性が疑われるという多くの証拠が出てきています。

またニコチンは細胞受容体に対する多種多様な機能を持ち、染色体や遺伝子の変異、DNAの損傷を促す作用があり、ニコチンによる酸化ストレスで細胞への害がある活性酸素が過剰に作られ、細胞のガン化やその進行を促進する危険性が報告されています。

ニコチンには、ガンの転移を促進したり、ガン治療を阻害したりする作用があることも分かってきました。この様にニコチン自身には発ガン性はないものの、その代謝物はかなり危険といえるようです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿