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トンガ噴火による寒冷化の可能性

2022-02-09 10:25:07 | 自然
現在地球温暖化が大きな問題になっており、SDGsなども絡めて環境問題に取り組む機運が広がっています。

私は温暖化は自然現象という説をとっていますので、こういった行動には懐疑的なのですが、トンガ噴火によって逆に寒冷化する可能性が出てきたようです。

1月15日に南太平洋のトンガの海底火山が大噴火しました。海域で起きた火山の噴火では、過去100年で最大級となっています。今回の噴火の規模は、1991年のフィリピン・ピナツボ火山の噴火に匹敵する巨大なものでした。

今回の噴火は、噴火の規模を示す火山爆発指数(VEI、0〜8の9段階で8が最大)でピナツボ火山と同じ6に相当するという見方があります。これは昨年8月の福徳岡の場の海底噴火の噴出物より1ケタ大きい量が出たと推計され、その後数年にわたって寒冷化を引き起こす可能性があるようです。

ピナツボ火山噴火では、成層圏にまき散らされたエアロゾルによって太陽の光が遮られ、地球の平均気温が0.5度ほど下がりました。2年後の日本では記録的な冷夏によってコメの収穫量が3割も減少し、タイ米を緊急輸入する事態となりました。

歴史上の大規模な噴火が寒冷化をもたらした例は多く、たとえば1815年のインドネシア・タンボラ火山の噴火では、翌年の北米と欧州に夏が来ませんでした。北米東岸の平均気温は例年より4度も低く、6月に寒波が来襲して雪が積もり池に氷が張りました。

19世紀最後の数10年間が寒かったのは、大規模な噴火が続いたためではないかと考えられています。具体的には1883年のインドネシア・クラカタウ火山、1986年のニュージーランド・タラウエラ火山、1990年のアラスカ・ボゴスロフ火山などが立て続けに噴火しました。

一方20世紀はそれ以前と比べて大噴火はほとんどありませんでした。つまり大噴火による気温低下が発生しなかったため、20世紀後半の温暖化が顕在化した可能性もあります。

昨年10月にはパフアニューギニアのマナム火山で大噴火が起き、福徳岡の場も含め、環太平洋火山帯で火山活動が活発化しているようにも見えますが、統計的にはこの程度の噴火は通常と言えるようです。

むしろ20世紀後半から大噴火が異常なほど少なかったといえます。今回のトンガ噴火で気温低下が起きるかどうかは、今後の傾向を見ないと分からないようですが、人間の行動によって平均気温を下げるのはほぼ不可能で、温暖化を緩やかにする程度です。

それが1回の大規模噴火によって寒冷化の可能性が出てくるというのは、やはり自然の力は偉大と言えます。

地球規模の自然現象にはまだ人間の力は到底及ばないのですから、地球温暖化の防止などと言って無理な努力を強いるよりは、自然の成り行きに任せてもそこそこうまくいくのではないかと思っています。


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