友人が膵臓ガンになった時、リモートのPCでPETの画像を送ってくれて、重粒子線治療前後のガンの状態を見せてもらいました。
PET画像ではガンが光って見えますので、治療効果を素人でも確認することができました。残念ながらこの友人はその後骨転移を起こし亡くなってしまいました。
このようにもしガン細胞を光らせることができれば、熟練の医師でなくとも手術で確実にガン細胞を除去することができるでしょう。最近患部そのものが光るという「術中蛍光イメージング」が実現され、ガン治療は大きく変わろうとしているようです。
現在は術前にCTやMRIによってガン細胞の位置を正確に把握できるようになってきましたが、実際の手術では色々な組織の中に隠れており、如何に見つけるかは手術者の腕にかかっていました。
そこでガン細胞自身を光らせる技術が開発されてきたのです。この術中蛍光イメージングの主役を務める薬剤が「インドシアニングリーン(ICG)」となっています。この緑色の色素は静脈注射されると全身を循環した後に肝臓に入り、肝機能が良い人ほど速く胆汁中に排泄されます。
ICGはこの「胆汁排泄性」により、古くから肝機能検査用として臨床の現場で活躍してきました。またタンパク質と結合したICGに励起光を照射すると近赤外領域の蛍光を発する性質があることも以前から知られていました。
この蛍光波長は肉眼では見えませんが、生体組織を5〜8ミリの深さまで透過できるので、ICGには深部観察用の造影剤としての応用が期待されていました。
今世紀に入り近赤外の蛍光を可視化する手術用のイメージングシステムが販売されると、ICGを用いた蛍光イメージングは心臓の冠動脈バイパス術で吻合部の血流を可視化したり、乳ガンの手術で脂肪の中に埋まったリンパ節を探し出したりするために、次々と応用されるようになりました。
撮像システムの発展も目覚ましく、内視鏡手術やロボット手術でも蛍光イメージングを活用できますし、ICGの近赤外蛍光に色付けをして4K画質のフルカラー画像にリアルタイムを重ね合わせるという最新機種も販売されています。
さらにICGを使って肝臓ガンを光らせることが発見されました。その後の研究で、手術前に肝機能検査のために静注されたICGが肝臓ガンの内部や周囲に滞留することで、ガンが「光る」原因と判明しました。
内視鏡手術では、外科医が肝臓を直接手で触ることができないので、肝表面近くの浅い腫瘍を見つけたり、肝臓を切り開いた面から腫瘍の取り残しを確認するニーズが高まったのです。現在ではICG蛍光イメージングが肝臓手術に欠かすことができない技術として活用されています。
まだすべてのガンを光らせるところまで行っていないようですが、こうした技術でより確実な手術が可能となりそうです。
PET画像ではガンが光って見えますので、治療効果を素人でも確認することができました。残念ながらこの友人はその後骨転移を起こし亡くなってしまいました。
このようにもしガン細胞を光らせることができれば、熟練の医師でなくとも手術で確実にガン細胞を除去することができるでしょう。最近患部そのものが光るという「術中蛍光イメージング」が実現され、ガン治療は大きく変わろうとしているようです。
現在は術前にCTやMRIによってガン細胞の位置を正確に把握できるようになってきましたが、実際の手術では色々な組織の中に隠れており、如何に見つけるかは手術者の腕にかかっていました。
そこでガン細胞自身を光らせる技術が開発されてきたのです。この術中蛍光イメージングの主役を務める薬剤が「インドシアニングリーン(ICG)」となっています。この緑色の色素は静脈注射されると全身を循環した後に肝臓に入り、肝機能が良い人ほど速く胆汁中に排泄されます。
ICGはこの「胆汁排泄性」により、古くから肝機能検査用として臨床の現場で活躍してきました。またタンパク質と結合したICGに励起光を照射すると近赤外領域の蛍光を発する性質があることも以前から知られていました。
この蛍光波長は肉眼では見えませんが、生体組織を5〜8ミリの深さまで透過できるので、ICGには深部観察用の造影剤としての応用が期待されていました。
今世紀に入り近赤外の蛍光を可視化する手術用のイメージングシステムが販売されると、ICGを用いた蛍光イメージングは心臓の冠動脈バイパス術で吻合部の血流を可視化したり、乳ガンの手術で脂肪の中に埋まったリンパ節を探し出したりするために、次々と応用されるようになりました。
撮像システムの発展も目覚ましく、内視鏡手術やロボット手術でも蛍光イメージングを活用できますし、ICGの近赤外蛍光に色付けをして4K画質のフルカラー画像にリアルタイムを重ね合わせるという最新機種も販売されています。
さらにICGを使って肝臓ガンを光らせることが発見されました。その後の研究で、手術前に肝機能検査のために静注されたICGが肝臓ガンの内部や周囲に滞留することで、ガンが「光る」原因と判明しました。
内視鏡手術では、外科医が肝臓を直接手で触ることができないので、肝表面近くの浅い腫瘍を見つけたり、肝臓を切り開いた面から腫瘍の取り残しを確認するニーズが高まったのです。現在ではICG蛍光イメージングが肝臓手術に欠かすことができない技術として活用されています。
まだすべてのガンを光らせるところまで行っていないようですが、こうした技術でより確実な手術が可能となりそうです。
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