ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

細胞の「ガン化」を防ぐ生体の3つの方法

2023-02-16 11:00:38 | 健康・医療
ガンは遺伝子の変異による細胞の病気と定義されていますが、細胞内のDNAは常にストレスにさらされており、1日に3000以上のDNA変異が起きているという説もあります。

こういったDNAの損傷は生体内のいろいろな修復作用によってガン化を防いでいるとされています。生物がさらされているストレスは、病原性細菌やウイルスなどによる攻撃だけでなく、さまざまな化学物質や紫外線、放射線などの環境ストレスがあります。

さらに生体内にも酸素分子がより反応性の高い状態になった活性酸素などの危険分子が存在し、細胞内分子を酸化させて損傷を与えることになります。

ヒトをはじめとする真核生物のDNAは核の中でクロマチンというタンパク質やRNAなどとの複合体として、さらに染色体という単位に分かれて存在しています。

DNAは負の電荷を帯びているため、核の中では正電荷を帯びた塩基性のヒストンというタンパク質と結合することで安定かつコンパクトに存在しています。クロマチン構造によってDNAが効率的に保持されるだけでなく、さまざまなDNAの働きに関与し、修復もその1つと考えられています。

DNAへの損傷が蓄積するとガン化に至る危険性が高まり、細胞はこれに対するいくつかの方法を備えています。

その第一はさまざまなDNA修復機構です。この修復の仕組みでうまく対応できない場合は、第二の可能性として細胞が自発的に、また不可逆的に分裂を停止した状態になり、これをセネセンス(細胞老化)と呼んでいます。

さらに活発に分裂している細胞などの場合は、第三のアポトーシスという最終手段に出ます。アポトーシスはプログラム細胞死ともいわれ、細胞自体が自殺することで周囲の細胞への悪影響を抑えるための仕組みです。

このようにDNA修復の仕組みは、ガンや老化との関係が深くなっています。ガン原因遺伝子や老化の関連遺伝子にはDNA修復に関わる遺伝子が多くなっています。

たとえばガン患者で最も多く変異が見つかる遺伝子の1つとしてp53がありますが、この遺伝子はガン抑制遺伝子の1つで、DNA修復とアポトーシスへの切り替え制御などに関わっています。この過程で重要なのは第一の修復機構ですが、この詳細も詳しく解明されています。

これについては塩基除去修復(BER)などかなり専門的になりますので、ここでは詳細は省略します。このようにDNAの変異を除きガン化を抑える機構は非常にしっかりしていますが、一般に高齢者にガンが増える原因としては、第一の修復機能が衰えてくるためとされています。

今のところ私はガンが見つかっていませんが、もう発症してもおかしくない歳であり、あきらめの境地に入っています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿