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専門医はガンのどこに注目しているのか

2024-01-10 10:38:18 | 健康・医療
ガンは遺伝子の変異による細胞の病気と定義されるように、どの遺伝子が変異したかで性質が決まるような気がしています。

私の大学時代の友人は肺腺ガンを発症しましたが、遺伝子検査をしてそれに合った分子標的薬で治療をしています。

ガンの大きな分類として、ガンのもとになる細胞の種類によるものがあります。上皮細胞からできるガンを癌または癌腫(これは漢字で書くことが一般的なようですが、ここでは私の好みでカタカナで統一します)と呼び、上皮細胞以外の細胞から発生するガンを肉腫と呼びます。

また血液細胞のガン(血液のガン)は造血器腫瘍と呼びますが、肉腫はまれなガンであること、血液のガンは診断法や治療法も固形ガンとは異なることから、ここではガンとして癌腫を中心とします。

ガンの性質の違いに大きく関わる分類としては、ガンの「組織型」によるものと、「遺伝子」によるものがあります。組織型とはガン細胞の形状やガン細胞が集まった組織の状態からガンを分類するもので、ガン細胞やガン組織を顕微鏡などで詳しく調べる病理検査によって決められます。

組織型とガンの進行の速さや予後の関係はよく調べられているので、組織型を知ることは治療方針を立てるうえで重要です。ひとつは腺ガンで、上皮細胞からなる組織がくぼんだ形となり、体液を分泌する機能を持ったものを腺組織と呼びます。

腺ガンは腺組織から発生するガンで、胃、腸、子宮体部、肺、乳房、卵巣、前立腺、肝臓、膵臓などにできます。胃ガンはほとんどが腺ガンですが、その中でも細胞の特徴から大きく分化型と未分化型に分けられます。

一般的に分化型は進行が穏やかで、未分化型は進行が速い傾向があると言われています。もうひとつが扁平上皮ガンで、扁平上皮とは平べったい上皮細胞が並んだ組織のことで、食道のように内部が空洞になっている臓器の内側の表面にあります。

扁平上皮ガンは扁平上皮から発生するガンで、口の中、舌、喉、食道、気管、肺、肛門、膣、子宮頸部などにできます。肺ガンでは腺ガンとも扁平上皮ガンとも異なる特徴を持つ大細胞ガンという分類があり、これら3種をまとめて非小細胞肺ガンと呼びます。

以上が組織型の分類ですが、従来これは病理検査としてよく調べられてきたものです。近年は「遺伝子」も調べることができるようになりましたが、まだ少なく「組織型」を決めることによって、治療方針が決定されています。

こういったガンの性質を明らかにすることによって、適切な治療ができてきたと言えるようです。


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