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日本が数値化することに成功した「疲労」の正体

2024-01-11 10:35:04 | 健康・医療
私はあまり「疲労」を感じない体質のようです。かみさんが何かして疲れたと言って横になるようなときでも、あまり疲労感を感じたことはありません。

日本は疲労が美徳とされ、互いを「お疲れさま」とたたえ合う特異な国だからこそ、日本の疲労研究は世界のトップを走っているようです。

ほとんどの科学研究において「量を測定する」という行為はとても重要で、疲労の研究でもそのことに変わりはありません。しかしどれだけ疲労しているか、疲労の程度を測定することは、簡単ではないのです。

疲労を測定しているように見えて、実は疲労感を測定していることがあります。たとえば疲労感の測定法として代表的なものにVASを用いた方法があります。

これは全く疲労感のない場合をVAS0、これまでに経験したことがないような最悪の疲労感をVAS10として、現在の疲労感を被験者が自分で見積もり、しるしを線上につけるというものです。

この方法は同じ人の疲労感の変化を知るには適していますが、AさんのVAS6とBさんのVAS6が同程度の疲労感を表わしているという保証はどこにもありません。つまり疲労感と疲労とは異なり、疲労感を測定しても疲労の測定の代用にはならないのです。

疲労の測定を難しくしているもうひとつが、同じ疲労という言葉を使っていても、例えば「仕事の疲労」と「筋肉の疲労」では全く異なることです。筋肉の疲労は、筋力の低下が測定できれば良いので定量化が簡単です。

しかし仕事の疲労は、筋肉の疲労とは異なる現象で、測定することが困難です。視神経の疲労を測定する方法としてフリッカーテストというものがあります。精神疲労や仕事の疲労を測定しているわけではありませんが、簡便な方法なので昔は疲労測定法としてよく用いられました。

より正確なものとして、ウイルスを用いる方法が研究されています。そのひとつが「疲れるとヘルペスが出る」という現象を利用するものです。唇にできる「口唇ヘルペス」というものがあり、熱の華ともいわれています。

これは「単純ヘルペスウイルス1型」といって、子供のころから宿主に一生涯にわたりその体内に潜んでいるウイルスです。潜伏感染しているヘルペスウイルスは、疲労など刺激を受けると再び増え始め、これを再活性化と呼んでいます。

ここでは6番目に発見されたヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)に注目しました。唾液中のHHV-6を測定することで、人がどのくらい疲労しているかが分かるようになったのです。

この方法が確立するまでは色々あったようですが、これによって世界で初めて疲労を数値化することが可能になったとしています。


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