ごっとさんのブログ

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治る認知症といわれる「正常圧水頭症」のはなし

2023-02-08 10:41:57 | 健康・医療
もう2年ほど前ですが、私の麻雀仲間が「正常圧水頭症」と診断され手術を受けました。

このSさんについては、そのかなり前から若干異常に気付いていました。単純に言えばそれまで麻雀がかなり強く、常にトップか2位になっていたものが急激に弱くなり大きく負けるようになってきたのです。

他の麻雀のメンツに相談しましたが、単にツキがないだけだろうとあまり気にしていませんでした。別におかしな行動が出たわけではありませんが、私は認知症を発症したのではと心配していました。

そのころから歩くのがおぼつかなくなり、杖をついて歩くようになり、一人だけ遅れてしまうという事が出るようになりました。そういった状況の中でどこかに出かけた時本当に歩くのが困難になり、救急車で運ばれたようです。

その運ばれた病院で正常圧水頭症と診断され、後日手術を受けました。この病気については全く知りませんでしたので知り合いの医師に聞いたところ、たまった水で脳が死滅していくという事でした。

従って手術をしても一旦傷んだ脳は回復しないため、認知症的な症状は改善しないだろうとのことでした。手術後はメールのやりとりをしていましたが、なかなか日常生活が復帰しないようで、結局麻雀に戻ることはなく現在に至っています。

正常圧水頭症は治療によって治せる認知症となっていますが、このSさんの状況を見る限り進行を止めることしかできないような気がします。正常圧水頭症は、脳脊髄液が脊髄から血管内へうまく流れず、頭蓋内に溜まり脳室が拡大する病気です。

水頭症には脳出血、脳腫瘍、頭部外傷など頭蓋内の疾患に引き続いて起こる「続発性水頭症」もありますが、正常圧水頭症は原因が明らかではありません。3大症状として歩行障害、認知機能低下、尿失禁があります。

髄液シャント術で歩行障害は9割程度、認知機能低下と尿失禁は7割程度の患者で改善が期待できるとされています。正常圧水頭症では、3大症状のうち歩行障害が出やすいといわれていますが、歩行障害、認知機能低下、尿失禁は3つとも必ずすべて出てくるわけではありません。

正常圧水頭症は「治る認知症」であるものの、歩行障害で転倒し骨折すれば、寝たきりになったり、別の認知症を発症するリスクも出てきます。やはり早期発見が重要といえそうです。

Sさんには昨年ほとんど連絡を取っておらず、年末にメールを出したりスマフォに電話したりしましたが、全く応答がなく心配しています。やはり脳の病気は人によって予後は変わるのかもしれませんので、早めに状況を確認したいと思っています。


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