ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

この先病気では死なない時代がやって来る

2024-06-03 10:32:44 | 健康・医療
病気は早期発見が重要で、いかに早く見つけて適切な治療を受けるのが重要とされています。

これからは致死的な病気を治すだけでなく、病気の原因そのものを断って病気にかからなくする「予防医学」が発達していきます。その分野で大きな役割を果たすのが「遺伝子解析技術」です。

遺伝子解析技術と個々の病気の治験を組み合わせて遺伝子の異常を調べ、早期に特定の病気を察知して、予防に繋げることができるようになっています。

アメリカ人俳優の話しが有名ですが、彼女は乳ガンと卵巣ガンの発生率が高くなるとされる原因遺伝子であるBRCA1に変異が見つかり、今後乳がんになる確率が87%と診断されました。母親が56歳の若さで卵巣ガンによって亡くなっていることもあり、彼女はまだガンになっていない両側の乳房切除を決断し、実際に手術を受けています。

患者の遺伝子を解析することで、将来ガンを発症する人にはどんな遺伝的特徴があり、実際に発症した場合はどのくらいのスピードで病気が進行するかまで分かる様になっているのです。「エピゲノム」の研究も、病気の予防に大きく貢献すると考えられています。

エピゲノムは食事、運動、生活リズムなどによって遺伝子(ゲノム)の働き方をコントロールする仕組みです。現在世界中でエピゲノムの研究が進んでいますので、2030年ごろにはオーダーメイドの病気の予防が可能になるのかもしれません。

つまり「あなたはこういう病気になりやすいので、こういう食事をした方がいい」といったことが個人単位でわかるようになり、それを病気の予防や健康維持に生かせるようになります。「センシング」の進化も予防医学の普及を後押ししていきます。

センシングとはセンサーを使って様々な生体情報を24時間365日計測し、数値にして可視化する技術のことです。身近なところでは私も持っていますが、アップルのスマートウォッチがその体表格です。

いまやアイフォン本体もセンシング装置を兼ねつつあります。センシングの研究がさらに進めば、思いもよらない生体情報が健康維持や病気の早期発見の指標として使われる可能性があります。

自宅や職場にもセンサーがつけられ、食事、入浴、仕事など日常生活のさまざまな場面から得られたデータを分析して健康維持のアドバイスをしてくれるのがあたりまえの風景になるかもしれません。

こういった状況が暮らしやすいと言えるのかは若干疑問ですが、人間の多様性を考えるとこういった流れにはならないような気もします。

これはいわば健康至上主義的な発想ですので、どんなに進歩しても病気と付き合いながら生きていく方が楽しいような気もします。


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