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睡眠時無呼吸症候群と糖尿病

2020-03-08 10:45:02 | 健康・医療
睡眠時無呼吸は、色々な病気の原因となるようで、動脈硬化の最大の危険因子とも言われている糖尿病、脂質異常症も含まれています。

まず糖尿病についてですが、私たちの身体は食事から摂取した糖質を体内でブドウ糖に替え、これを主に筋肉で燃焼して活動に必要なエネルギーを作り出しています。血液中に含まれるブドウ糖を血糖といい、その濃度を血糖値と呼んでいます。

筋肉の細胞が血液中のブドウ糖を取り込んでエネルギーとして利用するには、膵臓から作り出されるインスリンというホルモンの助けが必要となります。つまりインスリンはブドウ糖が細胞に入るときの通行証の役目をしており、これによって体内の血糖値は一定に保たれています。

通常食後に小腸から多量のブドウ糖が吸収されるため血糖値は高くなりますが、インスリンが盛んに分泌されて細胞に取り込むので、1〜2時間でもとの濃度に戻ります。

このインスリンの作用が不足すると、うまくブドウ糖を取り込めなくなるために、血液中にブドウ糖があふれてしまい、これを高血糖といいその一部が尿にも排出される状態が糖尿病となります。

睡眠時無呼吸症候群の患者は、糖尿病を合併しやすいことが分かっています。肥満がベースにあることも大きな理由ですが、睡眠中の無呼吸、無呼吸から呼吸が再開することを何回も繰り返し、そのたびに交感神経が優位に働くことで血糖値を上昇させ、インスリンの分泌も増加します。

これが続くと、インスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)に陥ってしまうことが、糖尿病を合併する原因になっています。

つぎが脂質異常症ですが、脂質の摂りすぎは肥満や糖尿病などさまざまな病気の原因となるので悪者扱いされています。血液中の脂質には、大きく分けてコレステロールと中性脂肪があります。

コレステロールは、細胞膜やホルモン、胆汁酸などの原料になる生命活動に欠かせない重要な物質です。中性脂肪は、身体のエネルギー源として利用されますが、余った分は全身の脂肪細胞や肝臓に蓄積されます。

これらの脂質が血液中に異常に増えた状態を脂質異常症といい、以前は高脂血症と呼ばれていました。中性脂肪は、脂肪細胞の中から分離した遊離脂肪酸が血液中に放出されると、インスリンの正常な分泌を妨げてしまいます。

睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠中に血液中の酸素濃度が低下するため、何回も覚醒するようになります。これにより交感神経が優位になるため、ノルアドレナリンが分泌されます。

このノルアドレナリンには、血液中の脂質を増加させる働きがあり、脂質異常の重大な危険因子となります。この睡眠時無呼吸症候群がどの程度の作用するのか分かりませんが、動脈硬化の危険要因を上げてしまうのは確かのようです。


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