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黄砂から生まれる巻雲が温暖化を促進

2022-04-26 10:35:35 | 自然
今月初旬に気象庁が黄砂情報を発表し、中国大陸から黄砂が飛来するとして注意を呼びかけました。

黄砂は春に最も多く1年に15日程度観測されますが、最新の研究では黄砂が巻雲を作り、温暖化を促進することが分かってきました。私は神奈川県ですのであまり黄砂を見ることも無いのですが、かみさんの妹は鳥取にいますのでそれなりに被害が出ているようです。

黄砂はゴビ砂漠や黄土地帯など乾燥した場所で、強風により舞い上がった細かい砂やチリが上空の強い風に乗って遠くまで運ばれる現象です。黄砂の大きさにもよりますが、日本を通り越して北米大陸まで達することもあるようです。

黄砂が一年で最も多いのは春(3月〜5月)で、全国11カ所の気象台の観測によると年間15日ぐらい観測されます。黄砂は気象条件に大きく影響されるため、2001年のように大量飛来が重なり38日にも観測される年もあれば、2017年のように僅か3日だけの年もあります。

大気中を漂うちりやほこりの約4割が風によって飛ばされた砂ぼこりで、その量は毎年数10億トンに上ると推定されています。発生場所は北アフリカ、アラビア半島、中央アジア、中国などで世界各地にあり、特にサハラ砂漠は全体の約6割を占める世界最大の発生源です。

砂ぼこりは空を霞ませるだけではなく、航空機の離発着や人の健康、最近では太陽光発電のソーラーパネルへの影響など多岐にわたり、世界では気象災害として深刻に受け止められています。

そしてもうひとつ重要なのが地球温暖化への影響です。ちりやほこりは小さな氷や水の粒を集める核になり、雲作る重要な役割があります。調査研究が進められるなか米海洋大気庁(NOAA)が航空機を使った最新の調査結果を発表しました。

2016年から2018年まで4回にわたり世界を一周し、地球規模で砂ぼこりの分布調査を行いました。その結果世界で発生する巻雲の34%〜71%が黄砂などの砂ぼこりが作り出していることが分かったようです。

巻雲は小さな氷の粒が集まってできた雲で、最も高いところにできる雲です。この高高度にできる巻雲は、太陽の光を遮るより地面から逃げる熱を閉じ込める力が強いため、温暖化を促進するとされています。

この様に黄砂は空を霞ませるだけの存在から、気象災害さらには温暖化を左右する存在になろうとしているようです。このブログでもトンガ沖の海底火山の噴火による噴煙の影響で、この年から数年の夏は寒冷化が起きるという記事を掲載しました。

このように自然の現象についてはまだまだ人間は無力といえます。地球環境特に温暖化が人間の力によって変えることができるというのは、ある意味自然の力を過小評価している驕りのような気がしています。


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