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地球にしか存在しない宝物「土」

2025-03-08 10:34:27 | 自然
自宅の庭は当然土で覆われていますが、いわゆる赤土になっています。普通の土よりかなり赤みが強いのですが、これは富士の火山灰土という説があります。

いろいろな植物は普通に育っていますので、性質としては普通の土と変わらないようです。普段食べているものは海産物もありますが、ほとんどは陸地つまり土から得られるものです。家畜も土から育った試料を食べ、土は貴重といえます。

厚さ1センチの土ができるまで日本で100年、条件の悪い場所だと1000年もかかるといわれています。そもそも土とは何かを専門家によれば、「土壌は岩石が崩壊した砂や粘土と腐植が混ざったもの」と定義されています。

土なんてどこにでもあると思ったら大間違いで、米宇宙航空局(NASA)も、これから目指す月や火星に土がないことで困っているそうです。生物が生み出す腐植の化学的な構造が分かっていないため、人工的に土を作ることはできません。

日本人の主食は米で、それは水田で作られます。この当たり前の景色は、2000年にわたる新田開発の賜物です。田んぼとは山から流れ出す水と栄養分を海に流してしまう前に回収する仕組みです。

日本や東南アジアなど森林が多く降水量の多い場所では、土壌が酸性になり作物が育ちにくくなります。平坦な土地の少ないタイ北部の山岳地帯では、焼き畑が行われてきました。灰が土壌を中性化してくれるのですが、焼き畑は3〜10年に一度しかできません。

田んぼに水を張ると、酸素欠乏によって土の中が還元的になり、酸化鉄が溶け始めます。この反応によって土壌が中性化し、イネに必要なリンも溶けやすくなります。5年に一度の焼き畑に比べ田んぼの生産性は15倍も高くなり、これが日本人が水田にこだわった理由のようです。

酸性の土壌がいかに人類にとって嫌われたものだったのか、四大文明発祥の地を見れば分かります。メソポタミア、エジプト、インダス、黄河文明は共に乾燥地帯です。土は中性〜アルカリ性で、そこを流れる大河の水を利用して灌漑農業を始めました。

酸性ではなく肥沃な土と水が両立する条件が、巨大農耕文明の成立には欠かせませんでした。ただし畑作の農耕文明には限界もあり、メソポタミア文明は土壌に塩類集積が起きたり、土壌が侵食されたりすることで衰退しました。

土の生産力の回復には、ナイル川の氾濫が欠かせませんでした。この様に土は単に植物の生育に必須なだけでなく、これを基にした文明の発展にも大きく関与したようです。

私も家の鉢植えの土を、購入してきたいわゆる土色の土壌と植え替えてやろうかとも思っています。


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