ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

新たな国産薬の承認で新型コロナの治療は変わるのか

2022-11-25 10:32:36 | 
このブログでも書きました昔のギター仲間の早めの忘年会出席者の中で、私の隣にいたO君が新型コロナに感染してしまいました。

O君によれば次の日咳が止まらなくなり、自宅で抗体検査をしたころコロナ陽性となったようです。結局保健所の指示で自宅療養となり、頭痛やのどの痛みを鎮痛剤で対処しているとのことでしたが、重症化の兆候はないようです。

私はこの記事を書いているのが飲み会から5日目で、発熱や咳といった症状は全く出ていませんので感染は免れたようです。

やっと塩野義製薬の新型コロナ治療薬ソコーバが承認となりました。何度も承認見送りということが起きていましたが、やっと国産の治療薬がでてきたことでコロナ治療は大きく変わるのでしょうか。

今回承認となったゾコーバを含めると、軽症・中等症の患者に用いられる抗ウイルス薬は4種類となります。まず最初に開発されたレムデシビルですが、これはRNAポリメラーゼ阻害薬という分類で、入院している場合に点滴を3日間行う薬です。

死亡リスクを大幅に低減するといわれていますが、あまり重症化しない現在はどの程度使用されているのか不明です。次がパキロビットという飲み薬で、同じくポリメラーゼ阻害薬となっています。

これは重症化リスクのあるワクチン未接種の人に対して高い有効性が確認され、国際的に広く用いられているようです。ワクチン接種が進みウイルスが変異しても、入院などのリスクを半減させる効果は維持されています。

モルヌピラビルは飲み薬ですが、国際的には他の薬剤が使用できない場合に使用する位置付けのようです。2022年9月から国内で一般流通されており、医師が判断すれば早期から投与が可能です。

最後が今回承認されたゾコーバですが、作用メカニズムはパキロビットと同じプロテアーゼ阻害薬となっています。倦怠感や発熱、鼻水、のどの痛み、咳の5つの症状が回復するまでの時間が24時間短縮するといわれています。

なお今回臨床試験に登録された約1000人のうち、入院した人はゼロだったため、入院リスクや死亡リスクを評価することはできていません。

このように多くの治療薬が出ていますが、ゾコーバも含めて「登録センター」から配分されるようです。いろいろ手続きを挟むことになるので、医師も薬剤師も手間が増えてしまう点が懸念材料です。

今回のO君のように自宅療養となった患者には、こういった治療薬は届かないような気がします。インフルエンザのタミフルのように、感染が確認されれば簡単に処方されるようにならないと、せっかくの治療薬があっても宝の持ち腐れになってしまうような気がします。

私は濃厚接触者になっても感染していないようですが、もう2,3日は自粛生活を続けるつもりです。

のんべえに優しい酒、焼酎が身体によい理由

2022-11-24 10:35:26 | 健康・医療
私は風呂上りに必ず寝酒を飲んでいますが、このところウイスキーの水割りが多いのですが焼酎も時々飲んでいます。

今はちょうど自家製梅酒が飲めるようになりましたので、これも嗜んでいますがこれは35度の焼酎で作りますので、焼酎の仲間かもしれません。

焼酎はその味や香りだけでなく、「健康に良い」ことが近年注目されているようです。昔から焼酎は酔い覚めがよく、二日酔いしにくいといわれてきましたが、それに加えて健康効果が明らかとなりつつあります。

かつて焼酎は「強い酒」と思われてきましたが、この常識が覆ったのは昭和50年代初頭からのお湯割りの飲みかたが広まってからのことです。この歴史もなかなか面白いのですが、薩摩の芋焼酎から割って飲むという飲みかたが広まったようです。

この「割って飲む」文化が、焼酎らしさの原点をなしていると考えられます。焼酎の飲みかたでは、「ロクヨン(焼酎6にお湯4)」という言葉がよく聞かれますが、25度焼酎のロクヨンのアルコール度は約15%程度で、清酒と同じかそれより低くなっています。

つまり焼酎は蒸留酒でありながら、清酒と同じように飲まれているわけです。ちなみに私はもっと低い濃度で飲んでいますが、それでも十分香りや味を楽しめます。

低濃度であればこそ繊細な和食の風味を損なわず、油を溶かし込む効果が高い蒸留酒であることから、脂っこい料理にもよく合う食中酒として万能性を備えています。蒸留酒でありながら醸造酒である清酒と同じように飲まれるという点もユニークです。

また焼酎は蒸留酒なので蒸発しない糖分などを一切含んでいませんし、痛風の原因になるプリン体も含まれていません。こういったメリットを考えると、健康を考えながら飲むとしたら焼酎に勝るものはないといえそうです。

酒は上手に飲むと百薬の長といわれていますが、実のところ酒の健康的効用を求めて飲んでいるのではなく、あくまでもアルコールのもたらす酔いを楽しんでいます。

昔から少量の酒を飲む人は、全く飲まない人や多量に飲む人とくらべて心臓病やガンなどの病気の死亡率が低いとされ、「アルコールのJカーブ効果」と呼ばれています。これを否定するような報告も出ていますが、推奨するようなものもあります。

近年広島大学などの研究グループはマウスを用いた動物実験で、少量のアルコール摂取が老化を抑制し肝機能を改善する事、血中尿酸値を低下させ病気のリスクを下げる可能性を明らかにしています。

このマウスの実験を人間に換算すると、1日10〜20グラム程度となり、これは缶ビール1本分に相当します。こういった適量は当然人によって異なりますので、あまり酔わない程度という個々が決めても良いような気がします。


脳科学から見た左脳と右脳の関係性

2022-11-23 10:33:18 | 自然
一般の感覚では複雑で訳が分からない脳の機能ですが、世間では「左脳優位」という説が流れているようです。

論理や分析などの高度な情報処理を司るパートが左脳であることがその根拠のようですが、本当なのかどうかを検証する記事が出ていました。

ちなみに私はパズル類が好きで良く遊んでいますが、数独のような数字などを理論的に考えるのは得意なのですが、立体図形などは苦手になっており、ここでは左脳優位になっているのかもしれません。

ヒトや動物の身体はほぼ左右対称にできており、脳もほぼ左右対称の構造を持っています。大脳では左の脳は右の体、右の脳は左の体に対応しています。視覚の場合も右の視野は左の脳で分析され、左の視野は右の脳に送られて分析されます。

この左右逆転のルール(対側支配)は、大脳の感覚や運動に直接関係した領域で良く保たれています。一方個別の感覚機能や運動機能には対応せず、感覚と運動の間の認知、思考、判断などの高次の機能を担う連合野と呼ばれる大脳皮質の高次領域では、左右の脳が反対側の世界に対応しているという原則は薄れてきます。

このように大脳皮質の高次領域では、片方の半球だけで外の世界全体を扱うことができるようになります。こうなると右半球と左半球が左右の半分ずつを分担するという役割分担は意味を失い、新しい役割分担が可能になります。

その結果ヒトでは言語機能や論理的思考は左脳が担当し、図形処理や直感的思考は右脳が担当するようになったわけです。

アメリカの神経心理学者が分離脳の被験者を使って左右の脳半球の機能をテストしました。分離脳とは手術などによって、左右の脳半球の連絡が経たれた状態の脳のことです。ここでは大脳半球の機能は保たれていますが、左右半球間での情報のやり取りや対側半球の機能を利用した活動ができなくなります。

詳細は省略しますが、この結果左半球は言語的・論理的・分析的思考や計算を、右半球は非言語的・直観的機能、空間的操作や映像的能力、音楽的能力などを得意としていることが分かりました。

しかし実際は左右の脳が協調して行動しています。単に左脳と右脳はあくまでも役割分担をしていて、左右の協力で外の世界と向き合っているといえます。例えばリンゴの皮をむくときも、右手の動作と左手の動作が上手にかみあわないとリンゴの皮は切れ切れになってしまいます。

これだけではあまり説明になっていませんが、結局左脳優位というのはあまり根拠のないものです。最近は左脳優位の状態を変えるために、右脳を鍛える必要があるなどいわれていますが、脳科学的には否定できることのようです。

昔のギター仲間の早めの忘年会

2022-11-22 10:38:54 | 日記
大学時代のギター仲間は、本来年1回泊りがけの合宿と忘年会などの飲み会を1,2回やっていました。

この仲間は11人いたのですが、残念ながらそのうちの一人が一昨年ガンで亡くなってしまいましたが、75歳を過ぎていますのでやむを得ないことかもしれません。

ここ2年はコロナ禍のため合宿を開催することができませんでしたが、コロナの様子を見ながら飲み会などはやっていました。

この間オンラインでの飲み会などは何回か開催していましたが、やはり集まって直接話がしたいということで、コロナの感染者数が増加する前に早めに忘年会をしてしまおうと話が決まりました。

今回は万年幹事のO君に代わりI君が幹事となり、東京駅の近くでの開催となりました。私の勤務していた研究所の本社が大手町でしたので、東京駅はよく行っていましたがここ十数年行っていませんのでどんなに変化したかを見るのも楽しみでした。

12時レストラン集合の昼食会でしたが、余裕をもって30分前には着くように計画しました。東京駅の南口に出てみると、確かに高いビルが増えてはいましたが、中央郵便局の建物は昔と変わらずそこにビルの入り口ができており、むしろ懐かしい感じがしました。

迷うことも無く目的のビルに付きましたので、まず1階のビル内の案内図で喫煙所の位置を確認しました。集合場所のレストランが6階でしたので、エスカレータで5階まで行きましたが飲食店が非常に多いビルでした。

ここまで約2時間タバコが吸えませんので、喫煙所で一服することが重要な行動となります。エスカレーターで6階にいったところ、ちょうどエレベーターから出てきたT君と合い、一緒にレストランに向かいました。

すでに4人が来ており、時間前には9人全員が集まりました。ビールで乾杯しましたが、やはり昔からの仲間というの良いもので楽しく食事が始まりました。

なかなかしゃれた料理でしたが、Y君と何料理だろうと話していましたが、多分イタリアンかフレンチと良く分かりませんでした。ランチの割には量も多かったのですが、私はウイスキーをチビチビ飲みながら楽しく過ごしました。

次回の合宿の話になりましたが、S君が幹事で筑波で開催することが決まりました。ただ時期は難しく5月くらいに可能であればということになり、3月ぐらいにもう一度オンライで話し合うことになりました。

しかし皆さんあまりギターを弾いていないようで、今までのようにギターを持ち寄って合奏をするというのは難しそうな感じでした。忘年会は2時間半ほどで終わりになり、O君たち4人で同じビル内のカフェに入りしばらく話をしてから帰りました。

70歳を過ぎたら大学病院に行ってはいけない理由

2022-11-21 10:37:30 | 健康・医療
最近タイトルのように、70歳を過ぎたら大学病院(これはいわゆる大病院も含みます)に行ってはいけないという論説を見ました。

私は一昨年に「75歳、医療からの卒業」という本を出しましたが、高齢になると体の部位が傷んでくるがこれは現在の医療では治らないので、痛みなど苦しみを除く以外は医療から卒業すべきだという私の持論です。

私の意見とも一致しますし、現代の医療の問題点もついていますので、ここでその一部を紹介します。

高度な専門治療が受けられ、あらゆる担当科があり色々な故障を一カ所で診てもらえるから便利として、大学病院を信頼し通院している高齢者は多いようです。しかし高齢者にとって大学病院のような大型病院には多くの問題が存在します。

多くの大学病院は「臓器別診療」が徹底しており、臓器別に専門分化されています。例えば今の大学病院のほとんどに「内科」という診療科はなく、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科などに分かれており、これは外科も同じに細分化されています。

高齢者はひとつの臓器だけでなく、複数の臓器にガタが来ているのが普通で、高血圧でコレステロール値が高く糖尿病も抱えているというケースも珍しくありません。

その場合循環器内科で降圧剤やコレステロール値を下げる薬を出され、内分泌・代謝内科では血糖値を下げる薬を処方されることになります。高齢者になるほど薬を飲んだ時の肝臓の代謝機能や、腎臓のろ過機能などは落ちて来るので、多剤服用による腎機能障害のリスクも高まってきます。

さらに治療の際も「臓器に良いもの」を「身体に良いもの」より優先してしまいがちです。こういった「臓器は診れども人は診ず」という臓器別に専門分化した治療よりも、全体を診ることができる総合診療医が必要ですが、まだまだ少ないのが実情です。

もうひとつが9割の医師が陥っているといわれる「正常値絶対主義」があります。多くの医師は健康診断などで示される数値が「正常値」を外れていると、それを正常とされる値に戻すために多剤服用を進めたり、食事制限を課したりします。

しかし臓器別診療の弊害と同じで、検査数値だけを見てそれを正常値内に収めようとすると、場合によっては多剤服用による体調の悪化など生活の質に悪影響が生じかねません。

身体のあちこちにトラブルが生じる高齢者にとってみれば、正常値から外れるのは当たり前のことといえます。また正常値に収まっていれば健康が保証されるわけではありません。

別に現在の大病院の専門医制度を否定するわけではありませんが、こういった問題のある大学病院には高齢者はいかない方が良いという結論になりそうです。