ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

健康な40代の3割が「隠れ脳梗塞」という事実

2023-11-25 10:35:35 | 健康・医療
もう10数年も前になりますが、私は脳のMRIを撮ったことがあります。

この時片側顔面麻痺を発症し、近くの神経内科のクリニックに行きました。ここで顔面神経麻痺と診断されたのですが、多くは突発性で自然に治るが脳に異常がある場合があるので、脳のMRIを撮ろうという事になりました。

ところがMRIが混んでおり1か月以上先の予約となりました。私の顔面麻痺は3週間ほどですっかり治ったのですが、色々興味もありMRIは測定してもらいました。この結果脳に異常はなく、隠れ脳梗塞の跡がいくつかあるといわれました。

それでも私の歳にしては(60代中頃)少ない方といわれ安心した記憶があります。この時初めて「隠れ脳梗塞」という言葉を聞きましたが、かなり若い内から発症するようです。

記憶力を担う神経細胞は加齢とともに減っていってしまうため、記憶力は年を取ると共に次第に悪くなっていきます。神経細胞が加齢で死ぬ主な原因は血流不足です。脳は体重の40分の1程度の重さしかありませんが、身体全体の約2割の酸素を消費します。

すべての細胞に酸素を届けるために、隅々まで細かい血管が張り巡らされています。歳をとって動脈硬化などで血管の内側が狭くなると、その細い血管まで血液が流れにくくなります。年齢を重ねていくと自覚できないほど小さな脳梗塞が脳の中で起こる確率が高くなるのです。

その隠れ脳梗塞が起こると、そこから先で血液を待っていた神経細胞は死んでしまいます。小さな脳梗塞は40代で3割、60代になると7割の人に見られるといわれています。

糖尿病にならないように注意することも重要で、糖尿病を発症した人は認知症のリスクが約1.5〜2.5倍高くなるというデータがあります。糖尿病は血液中の糖が多くなる病気ですが、糖は血管を傷つけます。

細い血管ほどその影響を受けやすく、身体の末端である足の先が壊死してしまったり、眼の血管が傷つけられて失明してしまったりします。細い血管が張り巡らされた脳も同様にダメージを受け、神経細胞が死んでしまうことで認知症が起こりやすくなってしまいます。

認知症の診断がついても、すでに死んでしまった神経細胞を取り戻すことはできません。現在世界中で早期発見、早期治療の方法が研究されています。

隠れ脳梗塞から認知症の話になってしまいましたが、この隠れ脳梗塞は良い予防法はなさそうです。出てくるのはいつもの禁煙や節酒ということですのであまり当てにならず、隠れ脳梗塞はいわば自然現象として捉える類なのかもしれません。

重粒子線ガン治療の装置の小型化を達成

2023-11-24 10:37:51 | 健康・医療
もう亡くなった友人の話ですが、膵臓ガンが見つかりましたがもう手術ができない状況でした。

ちょうどコロナの自粛期間でしたので、よくオンラインの飲み会をやっていました。そこで彼は日本には数施設しかない重粒子線治療を受けると言っていました。その後のオンライン飲み会で、膵臓ガンの重粒子線治療前後のPET画像を出して説明してくれました。

自分のPCにPET画像があるというのもすごいのですが、彼はコンピュータの専門家なので可能になったのかもしれません。その画像によれば、治療前は膵臓が大きく光っていたものが、治療後は本当にどこか分からないくらいになっており、十分有効であったことが分かりました。

ただその画像で脊椎の一部が光っているような感じで、本人もやや気にしていました。その後その友人はやはり骨転移が起き、その3か月後に亡くなってしまいました。しかしこの重粒子線治療は、非常に高額なのですが予想以上の効果が出るものだと感心していました。

さてこの「重粒子線ガン治療装置」を小型化するために、量子科学技術研究開発機構などの研究チームは、新型イオン入射装置の原型機を完成させたと発表しました。

2030年の実用化を目指しており、専用建屋が必要だった大きさが建物1階分に収まるサイズになり、導入費用も安くなり普及が進むと期待されます。重粒子線がん治療装置は1994年に放射線医学総合研究所で初めて稼働しました。

その後面積で3分の1程度に小型化した装置もできましたが、まだ巨大で高額なため、現在国内で1年間に治療を受けられる患者は7施設で計約4000人に留まっています。重粒子線は炭素イオンのビームを出すため、どうしても装置が大型になるようです。

この装置はイオン入射装置と円形加速器で構成されており、イオン入射装置はメタンガスから作った炭素イオンを線形加速器で予備的に加速する仕組みです。研究チームは2000年に海外で報告されたレーザー・プラズマ加速現象に注目し、飛躍的に小さくした原型機を開発しました。

原型機では炭素が付着したニッケル薄膜にチタンサファイアレーザーを照射し、瞬時にプラスのイオンとマイナスの電子に分離します。先に電子が飛び、それに引っ張られるように炭素イオンが強力に加速される仕組みです。

こうして小型化ができれば、設置施設も増えるのかもしれませんが、友人が治療を受けたときに治療費が数百万円(それも上の方)と言っていましたので、早く保険適用となり安価に治療できるようにするのも大きな課題かもしれません。

光触媒で犬猫のアレルゲンの分解に成功

2023-11-23 10:35:57 | 健康・医療
私の家は常にネコを飼っていますが、今も1匹がPCの横で寝ており、尻尾がキーボードにのり入力の邪魔をしています。

ネコを飼い始めたのは子供たち(息子2人)が小学生のころですので、もう30年以上前からです。当時は子供たちもかわいがっており何の問題も無かったのですが、次男が大学生のころネコを触ると手がかゆくなるなどといっていました。

2人とも就職して家を出て結婚しましたが、時々に家に来ると特に次男にひどいネコアレルギーが出るようになりました。最初は発疹が出る程度でしたが、だんだんひどくなり、最近では呼吸も苦しくなるようで、ネコをほかの部屋に隔離しても全く改善しませんでした。

ネコと長年暮らしていても、少し離れるとアレルギーが出てしまうというのは面白いものです。最近東京大学などの研究チームが、アレルギーの原因物質であるイヌアレルゲンとネコアレルゲンの分解に成功したと発表しました。

これは酸化チタン型光触媒技術を用いたものです。犬アレルギーは7種類のタンパク質(Can f1〜Can f7)が、猫アレルギーは8種類のタンパク質(Fel d1〜Fel d8)がアレルゲンとして同定されています。

これらは犬や猫の毛やフケ、唾液、尿などに含まれ、家の中のカーペットなどに付着するほか、微粒子に付着して空気中を漂っています。

どんなに頑張って部屋を掃除しても取りきれるものではなく、空中のアレルゲンは空気清浄機で対応できますが、完全に除去できるわけではなく、微粒子をフィルターできる高級機種は価格もそれなりに高いようです。

実験では、酸化チタン型光触媒に犬皮膚粗抽出液100マイクロリットルを滴下して可視光線に当てたところ、人間の体内で結合してアレルギー反応を引き起こすヒトIgEとの反応が、24時間で減少しました。これは猫の皮膚粗抽出液でも減少しました。

また実験にカーペットなどに付着する乾燥した皮膚も、同様に分解されることが分かりました。研究チームによれば、犬猫アレルギーによる急性喘息患者の治療費はアメリカでは10億ドルにものぼるとしています。

これを応用した空気清浄機ができれば、単に取り除くだけでなくアレルゲンをなくしてしまうという画期的なものになります。犬や猫との互いに快適な生活が実現するばかりか、薬代やそのほかの対策グッズや労力といったコストを大幅に減らせるかもしれません。

ただし犬や猫のペットとの関りは、触ったりなぜたりするところにありますので、こういった手法も限界がありそうな気がします。

日本で「70〜80歳まで働き続ける」実態とは

2023-11-22 09:55:21 | その他
私のころは60歳定年でしたが、色々都合があり59歳で退職しました。その後4月から2つの大学の非常勤講師をはじめ、5月から近くの企業研究所に派遣社員として働き始めました。

その後大学が68歳で定年となったので、派遣社員の方も同じ時期に止め完全に引退しました。今から考えるともう少し働く期間は長くても良かったような気もしています。

現在は定年延長や老後2000万円問題、さらには年金問題などもあり、なんとなく長く働くことになりそうだと思う人は多いのかもしれません。ここでは実際に定年後に人々はどのようなキャリアを歩み、どのような生活をしているのかの解説記事を紹介します。

定年後の人々を取り巻く状況は多様です。企業の管理職や高度な専門職について、生涯において仕事で大きな成功を続ける人もいるでしょうし、現役時代に仕事を通じて貯蓄に励み余生を悠々自適に過ごす人もいます。

またその反対に、生活費を稼ぐために歳をとっても必死で働いている人もいるでしょう。こうした姿はもはや定年後の「典型」ではないようです。

定年後に「小さな仕事」に無理なく従事しながら、つつましく幸せな生活を送るというのが、高齢期の「典型」となりつつあるとしています。

リクルートワークス研究所の「全国就業実態パネル調査」によれば、現役時代よりも小さな仕事ではあるが、やりがいを感じ満足している人は増えているという事が分かっています。

この調査によれば年齢を追いながら仕事満足度の推移を見ていくと、現在の仕事に満足している人の割合は20歳時点の44.2%から30歳には36.8%まで下がります。若いころは比較的多くの人が充実感を持って仕事をしているが、仕事をしていくうちにそうした気持ちは失われていく傾向にあります。

その後50歳時点の35.9%まで低調に推移します。壮年期の労働者のうち現在の仕事に満足していると言える人は3人に1人しかいません。そして50歳以降は一転して仕事に満足している人の割合は急上昇します。

60歳の就業者の45.3%、70歳の就業者の59.6%が仕事に満足しています。これはかつて従事した責任ある仕事を失い、低い給与で働いているという表層的にうかがえる事実に照らして、以外な結果といえます。

ここでいう「小さな仕事」がどういうイメージなのか若干分かり難いところはありますが、60代〜70代で仕事に満足している人の割合が増えるというのは、希望の持てる話かもしれません。

私は76歳ですので、いまさら仕事を探す気にはなりませんが、こういった「小さな仕事」を持ちたいような気がしています。

「生活習慣病」は自己責任ではない

2023-11-21 10:31:19 | 健康・医療
病気になるのは不摂生などの自己責任という論調があるようですが、私はたんに「運が悪い」から病気になると思っています。

最近糖尿病は不摂生や運動不足のせいであり、自己責任の病気という誤ったイメージがあるそうです。こういったことから「糖尿病」という病名を変更するという動きが提案されていますが、どうもその必要性に疑問を持っています。

こういった流れこそが、健康な人が病気の人を下に見ているからではないかという気もします。同様に「生活習慣病」という呼び方も考え直すべきという意見もあるようです。

生活習慣病は、不適切な食事、運動不足、喫煙、飲酒などの生活習慣が原因となる疾患の総称です。糖尿病や高血圧、脂質異常症、脳血管障害や心疾患、ガンなどが生活習慣病だとされています。以前は「成人病」と呼ばれていましたが、必ずしも成人だけが発症する病気ではありません。

1996年生活習慣病という呼称が、行政用語として採用されています。この呼称は、様々な病気が生活習慣と関連していることを分かりやすく明確に示しています。

その結果多くの人が健康的な生活習慣の重要性を理解し、予防意識が高まって病気を未然に防ぐことが期待でき、これが生活習慣病という呼称のプラスの側面です。一方で病気に対する偏見を招くというマイナスな側面もあります。

生活習慣病と呼ぶことで、病気にかかった人はみな不健康な生活習慣を送っていたという誤解を招きかねません。

こうした誤解は「生活習慣病にかかるのは自己責任であり、医療費の自己負担割合を増やすべき」といった議論を招き、「自業自得の人工透析患者など、全員実費負担にさせろ」といった暴論に行きつく恐れがあります。

これは極論ですが、ついでに透析についてはやや疑問を持っています。原則公費負担で良いのですが、所得が多い人はその額に応じて自己負担をしても良いのではと思っています。

貧困や劣悪な労働環境といった、個人の努力ではいかんともしがたい社会経済的要因が不健康な生活習慣と関連していることはよく知られています。現代において肥満や糖尿病は贅沢病ではなく、健康的な生活をしたくてもできない人たちがいるとしています。

こういった議論は分かりますが、私はあまり好きではありません。こういったことを基本にしても、生活習慣病という呼称を変える必要はないような気がします。

前述のように糖尿病の呼称変更は進んでいるようですが、使い慣れた病名変更するようなデメリットは「糖尿病」にはないような気がしています。