kimitsuku独り言

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ひとりブツブツ独り言

燃える秋に甦る 思い出の一冊

2011年11月14日 | 日記
        
 『燃える秋』は、五木寛之の小説。かつて真野響子主演で映画化もされて、
ヒロインの新しい生き方が話題になった作品。
小説も映画も未見だが、真っ赤に紅葉した樹木を見るたび『燃える秋』という
言葉が甦る。春の桜や新緑と違い、秋の紅葉が美しい時期は短く、間もなく
迎える終焉を予感させる。そんな危うさ儚さが人の心を惹きつけるのでしょう。
                   
 ところで大昔…花の女子高校生時代に読んだ小説の題名が思い出せず
喉に小骨が引っ掛かっているような、常にもどかしい想いがある。
 大体のストーリーは、ヒロインが女学生の頃、確か兄の友人で万葉集に
詳しい大学生を好きになり、一緒に万葉和歌を紐解いたりしていたが、彼は
徴兵され復員してきた時は、ひどく荒廃した青年になっていて、心待ちしてた
ヒロインを悲しませる…みたいな。恐らく似たようなストーリーの小説は、他に
あるのでしょうが、アレは誰が書いた何と言う小説だったのかしら。
好きな大学生のすぐ傍で、万葉集を開くロマンティックな設定が乙女心を、
捕らえたのでしょうねぇ…。ヒロインが一番好きな和歌と言って、大伴家持の
…春の園 紅匂う 桃の花 下照る道に いで立つ乙女…を、読み上げると
憧れの彼が自分もこの歌が好きと言ってくれて…
 もう半世紀以上も前の記憶が、今も脳裏にチラついて落ち着かない秋の
夕暮れであります。

コメント (2)
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