厚生労働省は、通常時は年間50ミリシーベルトと定めている原発作業員の被ばく線量の上限を当面の間、撤廃する方針を固めたそうです。
理由は、原発作業に従事できるのは全国で7万人余りしかいないので基準を引き上げて、福島原発作業にあたらせようというものです。
なんと労働者(しかも下請け労働者)の健康被害を軽視した考えでしょうか。
規定の被曝線量を超えると、ほかの原発の保守や定期点検に支障が出かねないとして、経産省が厚労省に特例的な措置を要請していたものです。一見労働者の事を装っていますが、しかし、この措置は、過酷な環境下で働く作業員をモノ扱いするものにほかなりません。
被ばくによる症状は、10数年から20年以上たって癌や白血病などを発症させるといわれています。
原発労働者が被ばくに耐えられる体力が一般の人と比べて高いというわけではありませんから。
今の原発が、労働者の健康被害を犠牲にして維持されている現実を直視して、早く安全なエネルギーへの転換の方向を示すときです。