少し落ち着いてきましたので、参院選挙の結果をいくつかの角度から見てみたいと思います。
その一つは、自民党、公明党の議席は「真の争点を隠し得た議席」ということです。
安倍首相は、自分たちがやろうとしいることを国民に正直に語って得た議席でしょうか。
私は、決してそうではないと思います。
公示後、テレビの党首討論はたった1回だけです。
放送調査会社が発表した「投票日前2週間のテレビの選挙報道量」では、3年前の前回に比べて約3割も報道量が減ったとしています。
総務大臣の「停波」発言などで各局は政治・選挙報道の萎縮傾向がさらにすすんだのではないでしょうか。民主主義社会の土台を危うくするものです。
そのなかでも安倍首相は、選挙が終わったとたんに、語ったのは「憲法改定」です。
安倍首相は「選挙で(憲法を)争点とすることは必ずしも必要ない」とのべ、遊説で憲法を一切語りませんでした。
マスコミの調査会社は、選挙中の安倍首相の街頭演説で、「経済・アベノミクス」という言葉が321回使われたのに対して、「憲法改正」は0回だったといいます。 首相は、徹底した「憲法隠し」で選挙をやりすごしたのです。
ところが選挙が終わるやいなや態度をひょう変させ、投票日の翌日の記者会見で、「いかにわが党の案をベースにしながら3分の2を構築していくか。これがまさに政治の技術」と述べています。
選挙戦は「憲法隠し」でやりすごし、選挙が終わると「国民の信を得た」とばかりに改憲に着手しようとしています。
こんなやり方を世間では「だまし討ち」といいます。
こんな「だまし討ち」の政治は、政権党の堕落であり、国民は決して許さないでしょう。