二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

12月5日久しぶりの営業日の報告・蛇皮の諸問題。

2021-12-06 10:26:23 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
1年10ケ月ぶりで、定期的に二胡の調整を始めようとご来店いただいての営業初日でした。

ご来店の皆様、まさかと思うようなところに工房がありますので、通り過ぎてしまう方も多く、
電話をいただいてお迎えというのが多かったです、すみません、
何しろ看板出すの忘れていました、次回からは看板を出すようにいたします。

工房にお着きになって、さっそくシュシュとアルコール消毒、
皆さん、どこでも慣れていらっしゃるようで違和感なく、次回は体温計用意した方が良いのかもしれませんね。
いくら少なくなったとはいえ、やはり、電車に乗ってこられる方がほとんどですから、
まだまだ油断はできないコロナ対策です。

さて本題!
どういうわけか、ご来店いただいた方の二胡を見せてもらうと、みなさん揃って皮に問題あり。
緩くなりすぎた皮、皮の一部だけが緩く他のところはまだ硬いというパターンっです。
長い間弾いてこられて、ゆるくなったのはまあ、これは仕方ないですね。
こういう場合相変わらず役に立つのが、

松富士ですね。
駒を横長に作る事で皮全体を振動させやすくなります。
これであと数年は楽器として延命できるでしょう。

もう一つのパターン、皮の一部だけが緩い。お客様にも試しに押してみてもらって、
一部緩いのは確認してもらえます、なかなかに、ご自身で皮を強く押すというのは勇気がいるもので、
ほら!大丈夫ですよと、試しにやっていただきました。
蛇皮のとぐろを巻く習性や、その伸ばし方などお話ししまして、何となくはご理解いただけたようです。
蛇は生きているうちは左右どちらか一方に、決まってトグロを巻くのだそうです、
個体差で、すべてが同じ巻き方をするわけではなとのことです。
私たちが手に入れる蛇皮は真っ直ぐに伸ばされてきていますが、
二胡に張ってみると右か左かどちらかに曲がろうとします、
その時にゆっくりと何回かに渡って締めあげていくとその癖も治るのですが、
量産ものはそこまで時間をかけていないのでしょう。

そこで、えいやっと、少し湿り気を与えて蛇皮の硬い部分をもんであげますと、
今まで出にくかった内弦の高音など何とか響くようになってきます。
蛇皮はそんなに簡単には破れませんが、さすがに皆さんにやってみてくださいとは言いにくいですね。

そんな蛇皮治療が続きましたが、一時間にお一人様
ゆっくりと皆さんの二胡のはなしができた、第一回目の工房での営業日でした。
この日は本業のスタッフのネオちゃんにも手伝ってもらい、
お持ちになられた楽器の癖の話などどんな作業をしたかなど書いてもらい、
それをお客様にお渡しできたのですが、さすがに私一人ではそこまでできません、
最近少しは二胡に興味を持ってきてくれたかもしれないネオちゃん、お疲れ様でした。

次回は19日もうご予約でいっぱいです、その次は来年新春16日になります。

穏やかなあたたかな、良い二胡日和でした。

工房光舜堂西野和宏

Comment    この記事についてブログを書く
« 工房での二胡の調整締め切り... | TOP | 自分でできる、弓毛の張替え... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 二胡の救急箱に書かなかったこと