どうやら、二胡屋が作った松脂なんてヴァイオリンでは使えないだろうという方もぽつぽついらっしゃるようです。
確かに、私は二胡屋ですが、私の作っている松脂は昔から世界中の擦弦楽器を鳴らしてきた天然熟成の松脂なのです。
誰がいつ擦弦楽器の弓に松脂を付けることを考えたのでしょうか?
そもそも弓で弦を弾くというのもいつ頃からでしょうね?
アラブにレバーブという擦弦楽器があります。
表に皮が張られています。
このレバーブ、インドネシアのバリ島にもあります.レバブと呼ばれています。
きっと、アラブから回教などと一緒に入りこんだのでしょう。
インドの南にはラバナストロンというかなり二胡に近い形の擦弦楽器があります。
表板は木をつかっていて蛇皮ではありません。
二胡も文献ではどうやら木の棒で弦を弾いていたということが書いていたのを見たことがあります。
弓というと、弓そのものを楽器にしたものがあります。今は南米でカポエラなどのダンスの時に使われているようですが、元はアフリカから来たと言われています。
木の棒で弓の弦をたたいたり擦ったりします。
ビリンバウという楽器です。
共鳴胴を付けているのですからこれはもう立派な楽器と言えるでしょう。
もっと古ければ、単に弓でしょう。
弓を引くと、耳元でブンッという音がします。
ヨーロッパの古い民族ケルト族の話など見ていると、敵と向かい合ったときに弓をたたいたりして歓声を上げるなどという話もあります。中国でも弓の空打ちで敵を驚かすなどという話も出てきますね。
こんなところから弓を楽器に作り上げてきた私みたいな根っからの物つくりタイプがいたのでしょう。
小さい弓大きな弓で音程が変わる、それなら、一本の弓にいくつも弦を張ってそれを弾けば音程が変わる、ハープの原型でしょう。
その弓を太鼓の上に乗せれば音が大きくなるという事で楽器の基本が出来ていったのだと思います。
もう、7年前ほぉさんとチェロの演奏会に行きました。
演奏途中でチェロの弓毛が外れたのです。
その時、全く躊躇もせず、演奏者が弓の木の部分で曲を弾き続けたのです。
バッハのシャコンヌでした。
演奏し終わった時の大歓声!!!!!
でも後から聞いたら、1000万する弓だったそうです。
木でもかなりしっかり音は出るのですしましてや重音もきれいに出ていました。
しかしさすがに、意外と低い弦が鳴らないのです。
引っ掛かりが必要というのはこういうところから出てきたのでしょうね。ガット弦ならもっとなったでしょうね。
これはモンゴルの人から聞いたのですが、騎馬で弓を引くには手に松脂を付けて弾くのだそうです。
騎馬での弓の戦いは速射が命ですから滑らないようにしたのでしょう。
当然弓の弦にも松脂はつきますね。
その弓で、このビリンバウのような楽器を弾くと良く鳴ったのでしょう。
多分こんなところから弓で弦を弾くというのは出てきたのではないでしょうか?
めったに負けなかった古代ローマ軍がパルティアの10000の騎兵に弓の攻撃だけで大敗したなどということもあります。
モンゴルもそうでしたが騎兵の国は弓矢が主要な武器であったといわれます。
身近にそんな弓があれば、松脂のついた弓で弦を弾き始めた人もいるのではないでしょうか。騎馬の国であったパルティアやペルシャなどで、擦弦楽器の元が作られたというのはこのような事から来ているのかもしれません。
それがレバーブになったり馬頭琴になったり、そのレバーブはその後ヨーロッパに渡りヴィオールになりヴァイオリンになっていくのでしょう。
(面白いのは、インドのシタールがチターになりギターになったという話もあります)
そこで使われた松脂は天然熟成の松脂であったはずなのです。
良い松脂は、二胡も鳴らしますし馬頭琴もレバーブもそしてヴァイオリンも鳴らすのです。
光舜松脂は楽器の特性に合わせて熟成を変化させています。
肉に合う赤ワイン?、魚に合うという?白ワイン、嬉しい時にはシャンパン!仕事の疲れとりには何よりビール、蕎麦に一杯日本酒、帆船の上では戦いに何よりラム酒、などなど気分により状況により種類を変えて楽しむのも光舜松脂は天然熟成という事でもお酒に似ているかもしれません。
どんな感じの音楽になるかは楽器により、そして何より演奏者の心が作り上げるのではないでしょうか。
この光舜松脂の引き出す音色に酔ってください!
二胡屋が作ったのですが、ヴァイオリン用なのです。(因みに私はチェロを弾いていますし、ヴァイオリンも作っています)
確かに、「光輪」「寂光」など漢字でのイメージです。
もし、もし世界に広がることがあれば、その時には、SOL、LUNAなど考えましょうかね!
しかし、そんなに多くは作れないです。
9月7日発売です。
松脂工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ