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二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の文化その2.

2013-02-08 10:21:50 | ■工房便り 総合 
二胡が日本に本格的に入ってきたのは、様々な説は有りますが、おおむね中国の天安門事件以後、1990年代の初めでしょう。(勿論それ以前から二胡は日本に有りました、当然中国で手に入れて来ている方というのは沢山いらたでしょう、現実に,私も戦前の円い二胡を持っています)

その頃に、理由は色々有るでしょうが、中国人の二胡の演奏家が、日本でのニ胡の演奏の可能性に掛けて来日し始めます。

演奏はそれまでもたまには聴くことがありましたが、教室までは有りませんでした。(もしかしたら個人的に教えていらっしゃる方等もいらしたとはおもいます、と、いちいち解りきった事を突っ込まれるのも嫌ですから、一応は書きます)

ニ胡の演奏に興味を持った方々が、しだいに教室で教わるようになってきたのです。

今、日本には中国人の演奏家というのはどのくらいいらっしゃるのでしょうか。

多分、50人は下らないでしょう。

これだけ多くの二胡の演奏家が日本に根付いておられるのです。

奈良時代から、その以前から、中国の方がその文明と文化を持って、まだまだ未開の日本へ渡来してきています。

昨年話題になった。鑑真和尚もそのお一人でしょうし、中国の文明と文化を拡げようと10年をかけて、5回目の挑戦で日本に来られたのだそうです。

多分他にもそのような方々が、今だ文明のなんたるを知らない所の倭の国へ渡来してきたことでしょう。

また、色々な事情で、中国を離れざるを得なかった人も、渡来したでしょう。

或いは新たな可能性をもとめてこられたかたもいらっしゃるでしょう。

その方々のおかげで、日本に中国の文明と、文化が招来されたのです。

江戸時代の鎖国の間、250年そして新たにヨーロッパの文明と文化が津波の様に入り込んできた明治以来のこの150年間合わせて、400年ぐらいは正式には、中国から、新たな文物というのは殆ど入って来てはいなかったと思うのです(これは極端な言い方です、鎖国時代にもいくらかは入って来ていたでしょうから)

でも、言えるのは、ヨーロッパの文明を取り入れようとしてきたこの150年は、中国の物を取り入れようとしなかったのは事実だと思うのです。(もちろん鎖国が解けたばかりで、物珍しい、中国の物も多少は入って来てはいますが、国を上げて、洋化を進めているところですから、それに比べればということです)

それが、何のきっかけであれ、中国から、新たな楽器の演奏家が、今や50名を超えるくらいに来て、その生徒すうだけでも、2,3万人は超える勢いだと思われます。(今や日本人の先生方も多数おられますから)

江戸期以前は日本でも遣唐使も有り、そのほか
先進国としての中国から何事かを学ぼうとして、多くの人が中国に渡り、新しい文化の息吹を伝えて来ています。

また、中国からも、良い物を拡げようということで、中国人達も来ています。

中国4000年の歴史をにない、その大きな思想を広めようとしていた方々も沢山いらしたと思うのです。

中国は日本にとってはあこがれの地でしたでしょうし、大変な先進国には違いありませんでした。

何しろ言語を表記する文字まで、移入し、それに伴って、思想という物も入り込み、言葉そのものが様変わりするほどの文明をもたらした国ですから。

今書いているこの文にしろ、漢字を抜いたとしたらまるで意味は伝わりませんし、漢字自体の意味は多少ともも変化するところは有ったとはいえ、それ以前の大和言葉(そう言う統一された言葉があったのかも解りません)に無い意味や表記をもたらしたのは、明治期に、全国の言葉を統一して、共通語を作ったり、或いは戦後にアメリカの言葉がなだれ込んできたという事など比べるべくもないほど、下手をすると新たに言語を作ったのかもしれないというほどの変化を日本にもたらしたははずなのです。

かつてのローマ帝国の広がりが、ヨーロッパの各国に未だにそのラテン語の影を落としているのと同じように、中国の言語や文化も未だに東アジア一帯に様々な影響が残っています。

当然、その先進国の中国人もその気概を持っていたと思うのです。

長安の春という論文をお書きになった石田幹之介先生に教わった身としては、中国の大きさというのは良く解ります。

二胡は、その中国から、先生方が携えて入ってきています。

二胡だけに関して言えば今でも、中国は日本にとって先人なのです。

単に、商売の為だけにいらしたとは考えたくはないですし、
また、亡くなった程農化先生のように、日本に帰化され、この国に、二胡を本格的に定着させるべく様々な活動をされていた方もいらっしゃいます。
また、かつて文明の発信地であった頃中国人はその気概を持っていたのではないでしょうか。

二胡の文化が日本に根付くには、まだまだ、中国の二胡の先人方が、日本人よ、これが二胡の良いところだよと本当の意味で先達を務めていただける事が必要だと、思うのです。

そして本当の知識を。

今、彼国は、ヨーロッパの科学技術文明をどんどん取り入れて、追い付き追い越せと励んでいる所ではあるのは皆さんもご存知でしょう。

しかし、文明としては4000千年も途切れずに周辺国を引っ張ってきた国ではあるのです。

二胡の先人として、その気慨、おおいなる意志は持ち続けて欲しいのです。

今少しづつは日本にも正確な二胡の知識というのは入り始めています。

それらを含め、日本に定着しつつある二胡の音が絶えないことを祈ります。

それには日本人二胡愛好家の努力というのも大切でしょうが、
その興味を更に惹きつける先達たちの指導の仕方というのは、まだまだ二胡の文化を日本に定着させる上では大切なのではないでしょうか。

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3 Comments

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とりあえず……。 (杜若 凛)
2013-02-08 17:38:57
本日のご報告をさせていただきます。
無事に学校に二胡を持って行くことができました。
1年生(?)が世界の伝統音楽の授業を本格的にやるのは、来週からのようです。
「全てのクラスで見せるために、また持ってきてほしい」と言われました。(毎日ってことだと思います)
今日は無理でしたが、昼休みに弾いてほしいとのこと……。
超初心者曲で挑もうかと思います……。
初めて人前で二胡を弾いてきます。(多分、イヤでも弾かされます……)

なんとかOKだったようです。

また、ご報告させていただきます。
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凛さん (nisino)
2013-02-10 20:35:39
昨日まで大阪に行っていました。返事が遅くなりましたね。
二胡の活動ありがとうございました、一人でも興味を持ってくれれば大成功ですよきっと。
でも、入試は?少し心配しています。
返信する
ご無事で何よりです。 (杜若 凛)
2013-02-10 22:17:49
入試のほうは、1月に私立の滑り止めには受かっています。
後は、3月の公立を受けます。
最後の模試で90%の確立、秋からの総合結果では80%(倍率は高いらしいですが、頭いいところではないので……)大丈夫なんじゃないでしょうかー。

今は学年末テスト2週間前なので提出物やりつつです。

ご心配おかけしました。
いろんな人に心配されて幸せ者ですね、私。
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