二胡工房 光舜堂

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二胡への疑問、その18、二胡駒

2012-08-17 10:56:25 | ■工房便り 総合 
検索キーワードで一年を通して必ずあるのが、この言葉です。

駒ですね。

駒は、形も木の種類も沢山有ります。

高さも大きさもホントに多いのです。

駒を変えると音の鳴りというのも変わりますし、雑音が出やすくなるのも有れば雑音が出にくくなるのも有ります。

音がはっきりと明快ななりになる一番の種類は、フランス南部の楓でしょう。(いわゆる中国の楓や日本の楓、あるいはカナダのメープルとははっきりと違います)

楓は、バイオリンの駒を作る材料ですから、これはもう決定的という位に明快な音になりますが、明快で有り過ぎて二胡の鳴りではないという方もおられます。

万能タイプは、ゼブラウッドです。

これは、多少高音の出にくい物や、雑音の出やすい物を癒す働きがあります。

このゼブラにしても、シカモアにしても木ですから一つずつ違いが出ますから、同じゼブラでもそれぞれの二胡に合わせる必要というのはあります。

またしっかりとした鳴りを確保したい場合は、楠が最高でしょう、そして同じく、脂松がとても良い鳴りをします。(松節と言って発売されています)

楠はこれは木の節を使います、通常の楠の木では役に立ちません。

節は密度も高いですしご存知のように硬いのです。

それからエンジュの木の枝も効果的です。

基本的に硬い部分と谷和原木部分と複合の木は良いようです。

ですから楓に一部黒檀を乗せた駒なども販売されていますね。

ただこれらは皆鳴るということが基準ですから、今までの二胡の駒の材料、黒檀や紅木紫檀などとは音色を変えるという方向ではありません。

皆さん色々、駒は試してみたと思いますが、鳴るということを考えると、これら、フランス南部の楓、ゼブラ、楠、脂松、に敵う樹種はありません。

次に形は、ウチダ駒の形状は大変合理的です。全音きっちりと出てきます。

但し、今までの二胡の音が最善と思っておられる方には向いていないと思います。

これは好みですから、それぞれ自由だと思いますが、今お持ちの二胡の鳴りにご不満の方は是非試してみて下さい。

それから、これは一番大きな問題なのですが、駒も弾きこみに依って育ちます。

ホントの駒の鳴りを得るには1ヶ月くらいはかかるのです、

この事は、私の言ったことを信じて、試していただいた、福井の小林さんに感謝です。

彼はホントに試してこのことを実感してくれたようです。

ですから、なんとなく駒をたくさん取り替えるということではなく、一つの駒でも最低1ヶ月は弾きこんで欲しいのです。その時にホントの鳴りになります。

楽器は弾きこみに依り、本体ももちろん、皮も、駒も弾きこみで変わります。

皮は最余2年間ぐらいは日々、それこそ日々変わります、たしょう何か違和感があっても先ず弾きこみ、それから考えて下さい。

そうでないと折角弾きこみ鳴り始めた皮や胴がまた変化し、全体のバランスが崩れやすいのです。

これは声を大きくして言います、

多少二胡が判って来ると何かと千斤や、駒や取り換えようという方も多いのですが、

その事によって更にバランスを崩し、結局どうしようも無くなってしまう方も多く見られます。

大切なのは、よく弾きこまれた皮と胴と棹、そして弾きこまれた駒、そしてそれに合わせた千斤との全体のバランスなのです。

先ず弾きこんで下さい
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