二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡への疑問、その19、弓張り替え。

2012-08-20 13:48:28 | ■工房便り 総合 
弓交換、弓の毛の張り替え。などという検索キーワードも沢山有りますが、弓の毛で雑音という検索キーワードは今までにありません。

しかし弓の毛での雑音というのはかなりあるのです。

一番多いのは、枝毛です。

そうです、人の紙の毛などと同じく枝毛というのがあります。

これは、弾いてみるとよくわかります。

弓を弾くと、ぽつぽつと音が所々で引っかかります。

それほど酷くなくとも、なんだかざらつきが多いのです。

これはよい弓の毛と比べるしか方法はありません。

最初に二胡を購入した時についている弓がそんなだとしたら、皆さんは二胡の音というのはそんなものだと思われるでしょうし、またそのように想っている方も多くいらっしゃいます。

ホントに良い弓の毛で弾くと、音は弓の手元から先端まで同じように鳴ります。

もしならないようなら、それは、弾き方が一定ではないか、弓の毛が悪いかのどちらかですが、弾き方が一定ではなくとも音が所々切れるようなことはないのです。

また、弓の毛ねじれて付いていることも有ります。

綺麗な弓の毛は、手元から、先端まで指で引っ張ると、ちゃんと真っ直ぐに綺麗に平行に成っています。

これも確かめてみて下さい、。

また、弓は弾きこんでいくとどうしても、毛が痛みます。

髪の毛で鉄を擦っているのと変わり有りません、鉄の方が強いのです。

ですから毛も細くなり松脂が始終落ちやすくなり、音のボリュームが出ないのと、無駄な力が入るのとで、雑音ぽくなります。

ある教室では10年弓を交換しなくても良いと教えているとのことですが、これは間違いです。

何故このように教えているのか分かりません。

或いは、昔の絹弦の時の知識の名残でしょうか。

絹弦を使うと、弓の毛の痛みは大変に少なくなります。それにしても10年は、、、

バイオリンなどの弓もその他の擦弦楽器の弓もプロの方は、半年以内にけをはりかえますし。

素人でも1年ぐらいでは張り替えます。

二胡だけが張り替えなくとも或いは交換しなくともよいというのは、考えられないのです。

弓の毛による雑音というのは、毛がすり減って来て松脂の付きが悪くなり、無駄な力が弓に掛かって出る楽器自体の雑音を強調してしまうということです。

現状、日本では弓の毛の張り替えというのはやっているところはありません。

バイオリンの弓の張り替えというのは普通な練習用の弓なら、毛の張り替えというのは5000円ぐらいです。

二胡の場合はもう少し手間がかかりますからもう少し高くなるでしょう。

バイオリンの毛の張り替えというのは非常に効率的に出来ていますので早い人なら、15分くらいでやってしまいます。

友人のバイオリン製作者が、二胡の弓の張り替えを頼まれてやってみたところ、なんだかんだで1時間以上かかってしまいました。もうやらないと言っています。

いずれ、私も二胡の弓の毛変えというのはやるべきだと思っていますが、(良い竹は捨てたくありませんから)弓の毛を張り替えると、少しは以前と感じが変わります、

するとマニアックな方の多い二胡愛好家はいろいろクレームになって来るということも考えられ、躊躇しています。弓も弾きこみが大切であるというのを分かっておられない方も多いのです。







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