二胡工房 光舜堂

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コントラバス用の光舜松脂「B」について。その2

2024-09-21 17:42:00 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
もしかしたら、コントラバスは進化の途中なのかもしれません。
クロサワ楽器店さんのコントラバスの担当者の方達に、たくさん弾いてもらったり、見せてもらったりしてきました。
そこで感じたのは、コントラバス程多くの違う形を持った楽器はないという事です。


これもコントラバスです。これは古い形ですね。
この形の中間にさらにいろいろな形がありますね。
ある意味、ヴァイオリンほどは形も決まっておらず、制作も大きいので大変ですね。
作りの微妙な差が音に現れやすいのかもしれません。
ヴァイオリンのように定型があってその通り作れば、間違いなくそこそこよい鳴りになるということでは無いようです。
ましてやいわゆる木製のペグを使っている人は殆どいなくなっています。

殆どギターのペグのようです。
ここまで大きく変わった楽器はヴァイオリン系の中には無いですね。
ヴァイオリンの人たちはフィッティングと言ってこのペグやテールピース顎当てなど音色に関わるという事で、とても大切にしていますね。(不思議なのはかなり音色が大切
というコントラバスの人でもこれで文句を言う人はいないようです)
こんな機械を使っていながら、楽器全体がそれぞれ違うために駒やテールピースの調整がなかなかに難しいようです。
弦が金属製の巻き弦になってから、弓に塗る松脂は油分その他添加物を入れて、いわゆる引っかかりというの求められ、特にコントラバスはその太い弦を振動させやすくするために柔らかい松脂を使っている方が95%以上と言われています。
これは本当に太い弦を振動させやすいです。
しかし反面ハイポジションの音色や、早い曲や弓の操作がキレが悪く引きにくくなります。
しかし慣れというものはあるものでその柔らかい松脂でも、かなり難曲を弾く方も沢山います。
そんな方達も
柔らかい松脂との併用で光舜松脂を使っておられる方もいるようです。
先ほど書きましたようにコントラバスは本当に違いの大きな楽器です。
また弓もかなりの差があるようです。
重さもちがいますし、弓毛の張れる量も違いますし、ヴァイオリン用の軽い脱色のものから、イタリア産、アラブ系の黒毛、そして無脱色のモンゴル産のものなど、引っかかり、そして,弦に当たる弓毛の量など変化に富んでいるのもコントラバスの弓の特調でしょう。
ヴァイオリンの場合は、黒毛も使いませんしイタリア産も使う人は少ないです。(使う弓毛の量が微妙なのです)
楽器の違いはさらに大きいです。
ヴァイオリンの構造を取り入れて微妙な振動も取り込むようにしたもの、(ウルフ音の出やすいものも多いです、サイドの板や裏板が薄くなりますから)
また古くからのヴィオールのように裏板が真っ平らで、表の隆起も少なめなものなど、制作家のあるいはメーカーのそれぞれの考えを反映しているのでしょう。
そして、たぶんそれらを超えて、低音弦を鳴らしやすいのが例の柔らかい松脂なのだとおもいます。
もしかしたら、かなり少ないとはいえ、ヴァイオリンに近い構造で尚且つ低音を充分鳴らせえる板厚、そして表板の微妙な加工(ヴァイロンなどはトップは3,1ミリくらい、周辺の薄いところは2、3ミリくらいまで削り込んでいます)
この微妙な削りが、表板が太い弦から細い弦までの振動を良く実現します)
そのような楽器を持つコントラバス奏者は普通にヴァイオリン系の松脂、光舜松脂で言えば、「煌」で楽器を鳴らすことができるのではないでしょうか。
柔らかい松脂はコントラバスの弦を鳴らしやすいです。
それならば、その上に乗せて更に弓の操作性をよくするものとして光舜松脂の「B」大変役に立つと考えています。
暫くその柔らかい松脂を使って、そろそろ次に塗ろうかなという時期がかなり効率的ですが、クロサワ楽器店さんでの実験では、その柔らかい松脂の塗ったばかりでも「B」は切れの良さそしてハイポジションの音の良さも実現します。
そして今までも比較的引っ掛かりの強めのヴァイオリン系の松脂を使っていたかたが、「B」を購入されたこともあるようなのです。
満足しておられる方もおられるし、寧ろ以前使っていたヴァイオリン系のリーベンツェラーなどの方が引っかかりが良いというかたもいます。
いわゆる引っかかりというのが無いのが光舜松脂・天然熟成松脂の特徴の一つです。
人は長い間の慣れというのがありますので、致し方ないのかなおと思いますが。そこで一つ試してほしいのは、その今まで使っていたヴァイオリン系の松脂の上に「B」を塗ってみて欲しいのです。
物は試しです、元々が他社の松脂の上に乗るように作ったものですから。
そういう点では、「音」は更にお役に立つのではと思っています。
「音」も他社の松脂の上に乗せるために作ったものですから。
更に、最近の実験では、ポップスというコントラバス用の柔らかい松脂
を塗ったうえに、「B」を塗って更に「寂光」「光輪」を塗ると相当な威力を発揮します。柔らかい松脂の所謂引っかかりだけでなくかなり切れもあり音色も良くなり弓の操作性は上がります。これはクロサワ楽器店さんで担当者が考え出したもので実際に弾いてみてもらって、遠鳴りと音の綺麗さを実現したのです。
「B」はあくまでも柔らかい松脂の上に乗せるものとして作られています。
やってみてください。
そして更に光輪寂光を乗せてみてください。

ギアペグと同じ一つの改革案です。

松脂工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ
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