二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

あまり買いたくない。

2012-10-29 18:32:11 | ■工房便り 総合 
今光舜堂は、あまり買いたくない、顰蹙というのを買ってしまっています。

一番に、調整費が安すぎる、弓の金額が安すぎる、修理代が安すぎる。

楽器が高すぎるというのはどなたも言ってきません(他の楽器屋さんがです、笑)

確かに光舜堂は、他店に比べて調整費が相当安いです。

何しろ駒は自分で作っているし、店を借りる費用もかかっていません。

元々販売するつもりの無かった、弦や弓です。

自分の作った二胡に合いそうな弓を、万一、もしかして売れたらそれにつけてお客様に渡そうとしていた物を、評判が良いので販売用に多少余分に仕入れただけですから。
(光舜堂が出来た時に、楽器に関してはあんなものは二胡ではないと言っていた人が、後から弓だけ販売してくれと言ってきたくらいなものです)

その仕入れる手数料が出ればよいかという金額を設定してしまったのです。

調整にしても、自分が調整する時間で、このくらいかかるだろうと言う人件費と、技術料という感じでした。

ところがよそ様は違いますね、その雇っている人の人件費も、家賃も、仕入れ金額も全て懸ってし舞いますからウチほどには安くは出来ません。

しかし、これは今更変えるわけにはいきません。

安いからと言って気軽に来ていただけることもあるでしょうし。

まだまだ調整というのが、まだまだ正確には皆様に伝わっていないというのもあるからです。

私もそうでしたが、二胡を習い始めるとなんとなく駒の事や千斤のことが気になり始める男性というのは相当多いです。(でしょ?)

そして色々なうんちくというのを、あちこちのネット上から拾い出すのが楽しみでもありました。

しかし本当に、調整の意味が分かり始めたのは、二胡を作るようになって、二胡の構造が分かるようになってからでした。

駒そのものの持っている木の振動が、弦の振動に反応しその振動が、日々変化していく皮に弦の振動を伝える、その蛇皮の変化が分かって初めて調整というのが出来るようになります。

今の世の中に出回っている調整法というのは経験知により決まって来た事です。

沢山の二胡好き達がより良い二胡に仕立て上げようとして、やってきた調整法です。

そして、コウキ紫檀とインド紫檀という二胡に一番適した材料で作られた楽器の音色に近づけようとした、調整法なのです。(極端に言えば、コウキ紫檀インド紫檀はそれほど二胡らしい音でもあります)

一番の問題は、二番煎じだということなのです

楽器を作った人が、調整をやるのではなく、中国から送られて来た楽器に弦や駒を附けるのは楽器屋さんがやるということです。楽器を作る人が調整までやってお客様の手に渡すというのがバイオリンの世界では常識なのです。)

もちろんそれで最初のうちは問題ないのです。(楽器屋さんの悪口を言っているのではないですよ)

皮が新しいうちは問題ないということです。

その楽器がお客様の手元に行った時にも問題はないのです。

当初は、弾きこまれていませんから、木のそれぞれの振動が連動するまではかなりの雑音だからです。

それを1日ぐらい弾きこむと、皮も少し緩み、違う木同士でも振動が連動して来ます。

良く連動する物は、問題ないのですが、1、日2日或いは一月ぐらいして、皮が振動し始めた時には、それに合わせて、千斤の巻き直しと、駒の角度変え、高さ変えというのが必要になって来ます。

この時にちゃんと、基本的な調整のノウハウが無いと、今までに流布していたネット上での話の方法を、どんな二胡ならこの方法が良かったかというのを確認できない状態で、いろいろいじってしまいます。

そうなるともう大変、どうしようもない雑音になったりもします。

一番気をつけなければいけない、千斤の、胴からの距離、39センチくらいではなかった場合は、調整の方法が変わるとはどのネットにも載っていません。(この千斤の位置というのは相当重要なことです)

これは、大変ですね。

楽器屋さんに持って行ったとしても、その楽器屋さんによっては新しい物以外に対する調整というのはやっていませんから、手の施しようのない場合も有ります。(やたらにフェルトを詰めこんだりもします。座布団のようですね)

皮は弾きこめばめば弾きこむほど変化します。木も変化します。

その変化に応じて、最低2年ぐらいは、せめて半年に一回或いは、3月に一回季節の変わり目ごとに調整したいです。

その為に光舜堂は、会員制度というのを作って、なるべく気楽に来ていただけるようにしたのですが。

これがまた顰蹙を買っています。

無料で調整するなんてとんでもないということです。

無料ではありません、入会金はいただいています。

945の銀の指輪が付いていますが。

秘密結社かい?と、また顰蹙を買います。

秘密結社なのです。

いまだに、光舜堂には行くなという教室も有りますから。

秘密に来られる方のなんと多い事か、、、、、、

せめて固定千斤は残しますし、絶対ばれないように、市場で出回っている千斤も使います。

何も金色銀色だけではありません。

同じポリエステル系なら様々な色を取りそろえています。

もちろん秘密結社ですから、決して個人情報は外部に漏れません。(それが楽しいではないですか)

顰蹙のその2は、修理代が高い、という物と、安すぎるという両方です。

ということはちょうど良いのかもしれませんね。

光舜堂の楽器修理というのは、あたまがとれたから、くっつけて、胴がわれたからくっつけてというのではないのです。

もちろんちゃんと元の通りに近い、(御自分で直してこなければ)物が出来上がりますが、特に皮の張り替えという時には、内部に手が入りますから、楽器として健全になるという状態での修理とお考え下さい。

頭の破損はともかくとして、胴のひび割れ等はただつければよいのなら、ご主人方でも器用な人ならやれることです、しかし楽器として直すというのはすこーしだけ違うのです。

まず、使うボンドが違います、そして締め具合が違います。締めれば戻る物も有りますが、傷口を開けてしまった物には、木を埋め込まなければならないこともあるのです。

この時に同じ材があるのかという問題も有りますし、傷口を開けてしまったにもかかわらず無理やり閉め込んでボンドで充てんしてしまう方法もあるからです。

これをやると、胴の木同士の振動が伝わりわりにくくなり、雑音の原因にもなったりもします。

鳴らなくなるということも有ります。

やはり傷口を開けてしまった物には同じ木をその隙間に或いはクラックに合わせて削り込んでちゃんと堅いボンドで閉め込むというのが必要です。

光舜堂は、本来ならば、中国製の物が正当であるという業界に、日本製だということでうっかり踏み込んでしまった、(ホント周りのことが判らなかったですから)二胡作るのが大好きな爺が、業界のルールも知らずに始めて、これなら日本人の二胡弾きに役に立つと、能天気に始めてしまった二胡の修理屋です。
どうぞ業界の方、後進の何も知らなかった二胡大好き人間が始めたことです。多めに見てやって欲しいのです。

現実に二胡売るぞーーーとも大声で言っていません、かなり遠慮しているつもりです。

二胡とはこういうものです、こういう構造です。皮に秘密なんか有りませんと、大上段に振りかぶっているのではなく、

こんなことが分かった皆聞いて、凄いでしょと、見た目の割には、子供っぽい(ほぉさん曰く)爺がやっています。

楽しくて仕方が無いのです。

ましてや、何のコネも無く、ただただ場所があるからと、周りの二胡弾き達の援助でなんとなく出来上がって来ました。

そうです、ジミーさんはじめ、ともみさんやぷーろんさん、船長やこたにさん等沢山の人達に持ち上げられてきたのです。

この爺の調子の乗りっぷりに皆さん呆れて近近づか無くなる人もいますし、ついてはいけないと離れても行く人もいます。

もちろん、それらの人からも顰蹙を買っていますが、
私は爺の経験で人の縁というのはその時限りでは無いと思っていますから、とくに若い時にはすぐ近くきり見えないことも有ります。
(私も有りました)
今だけを考えずに、そうです、65になってもまだ先はあるのですから、例え明日だけだとしてもです。
本当に縁のある人というのは、ちゃんと何時かは良い形で近くは無くともつながるのですよと、顰蹙を売っている人に言いたいです。

顰蹙を買う話でした。



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