二胡工房 光舜堂

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駒を作る

2014-03-20 09:14:29 | ■工房便り 総合 

私が駒を作る時には、最初は右のような少し大きめの物に、まず穴をあけます。

それを左のように少し大きめに、削り込みます。

穴自体は最初に、真ん中に開けます。この作業は治具を作り、真ん中に設定して開けてあります。それから大まかに左右を削ります。

木自体その大きさだとしても、均一ではありませんから、音としてよいなと思った時には、多少左右がずれているときも結果としてあります。

あくまでも削りながら音を聴きながら、こんな感じかなと言うところで手を止めると、

結果としてみると、中心からずれている物もあります、と言うより完全な中心の物と言うのは、ありません。

これは木が均一ではなくたぶんこんな小さなものでも質量のばらつきと言うのがあるためかもしれません。

中には相当ずれるものもあって流石に、それは流石に商品にはしていませんが、音の為ならこのくらいは良いかなと言うのは残します。

画像を見ていただくとわかりますが、もとの大きさは、これだけ違います。

これを削りながら調整していきます。

通常中国製の物やハンドメイドで作っている人は、どういうわけか、最後に穴をあけるようです。

穴をあけて最終なようです。

そうすると、音の鳴りを変化させる余地がありません。

穴あけで決まってしまいますから。

穴の外弦側、内絃側の量の大きさと言うのがどうも、鳴りに影響してくるようなのです。

このことは、単なる私の耳と、感でしかないかもしれません。

因みに、ストラデバリウスなどのオールドのF字孔は必ずと言ってよいほど、左右が違いますし形も違います。

あれは外形の形のゆがみに合わせているのです。

駒の下部の切込みも左右が違います。

完全とはいきませんが、高音をもう少し出したいときには、高音側を少し深く切り込みますし、高音側を少し削ります、すると穴に近くなり、高音側の質量が減って、高音は出やすくなります。

ご存知のように、駒は大きければ大きいほど、振動しにくくなります。

音量も減ります。

ですから、小さい駒の方が大きく鳴ります。

それは一つの駒の中でも同じことが言えると思うのです。

私にしても完璧ではないのですが、なるべくよく鳴るようにとは考えているつもりですが、、

そのために、光舜堂にご来店の方は、一台一台に合わせてさらに削り込んでいます。

結果、更に、穴が中心からずれる事も有りますが見事に音は鳴るのです。

しかし、やはり通販ですと、なかなかに画像で物を選びますから、穴は真ん中に合って左右対称な方がきれいだし、見た目も良いようです。

もちろん私だってそのように作ることは、できるのですよ。

しかし試しに、弾いてみて、もう少し駒低くしようとか、外弦側削ろうとか、ついつい手が動いてしまいます。

ですから駒の高さも大きさも少しづつは違います。

最初は駒の高さは10mmで製材します。

出来上がった物は、9,2もあれば、9,5もあります。

どうしましょう、すべて機械でやるのも可能は可能なのです。そうすると穴は中心に収まって見た目にも良くはなるのでしょうね。

音さえ考えなければ、、、、、

やっぱり私の作るものは通販には向かないのでしょうね。とほぉさんはよく言います。









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2 Comments

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最近はしてませんが、 (やすぞ~)
2014-03-21 16:29:39
私も作ってた時は、穴を最初にあけてました。

それは、音の為ではなく、斜めになった駒に綺麗な穴をはじめとするあける工具が無かったからです。

大きさも かなり大きめからの削り込みをしてました。

これも工具の関係です…

角度や位置、高さなど、振動に関係するであろう事は、予想してましたが、そこまで突き詰めてはいませんでした。

職場で作ってましたし(笑)

最初は物理学や音響などの文献も図書館から借りてましたね…

生活スタイルが変わってからは、触ることも無くなりましたが…

何事も、なんちゃっては容易に出来ますが、突き詰めると、答えは無いように思います。

だから、『死ぬまで勉強』なんて言葉があるんですかね…
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死ぬまで勉強 (nisino)
2014-03-22 09:40:48
やすぞーさん、私も以前は最後に、穴開けていました。

真中へ、ボール盤に斜めの治具作って、これならドリルの錐も滑らないし、良いのですが、角度もすべてルーターで設定しておくと全部同じように作れます。機械で作るのですから。でも何か違うのですよね、そこで少しづつ削っていくと、音の変化が現れます。試してみたのは、治具を作って、全て同じサイズで作り、同じように真ん中に穴をあけても、その穴に、這いrを通して、平行を見ると、本来ならば同じ大きさで左右も同じですから、水平にならなければいけないのですが水平になる物と言うのは、2割ぐらいなのです、要するにこんな15ミリくらいの木の固まりだとしても必ず左右の質量が変わるという事なのです。
振り返ってみて、ヴァイオリンの駒も、必ず左右が違います、高音の方が短いのです、そして低くなっていますし、薄く作るのです。当然ですね、高音の方が、振動が弱いので薄く作らなければなりませんから、それを音を聴きながら、音としての真ん中を求めると、穴は真ん中から外れます。ヴァイオリンの駒の中の穴はかなりな曲線で出来上がっていますから、それほど真ん中から外れたという見栄えにならないようです。駒の穴は真ん中になければいけないと思い込んでいる先生方もいらっしゃるでししょうが、今販売されている中国製の駒を上下向きを変えただけでも、音の鳴りが変わってくるというのは、解っている人がほとんどいません、これは、微妙な左右の質量の違いがもたらす音の変化だと思います。
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