goo blog サービス終了のお知らせ 

二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

雑音を、直すことができるようになったと思います。その3

2010-10-06 09:24:14 | ■工房便り 総合 
②の胴の木による雑音の前に、

皮による雑音のもう一つの、パターンが有ります。

それは,経年変化によって、木が収縮、或いは、亀裂、或いは、歪みます。

そのことから起きる皮の歪みです。

皮は、張り終えて、乾いた時に、平方㎝あたり10キロぐらいの、力で胴を締めつけます。

ですから、木が収縮で狂ったりすると、胴そのものの締めつけ方も歪みますし、

木が収縮した分、部分的に緩みもします。

その緩み方が平均していれば、それほどの問題は出ません。

相当乾燥した(含水率で15%以下)木で、

同じように乾燥した木を6枚使って胴を作れば、ほぼ問題なく、10年20年と使える事と思います。

以前にも書きましたが、これだけ、エアコンの発達した世の中です、

暖房も冷房も、かなり自然とは言えない状況を、部屋の中に作ります。

当然木は、更に乾きます。

いわゆる人工乾燥状態になってしまいます。

今の二胡生産は、(私のところも含み)殆どが自然の換気状態で、温度も湿度も管理されているわけではありません。

その中で作られた二胡は、当然、今の日本の室内状況に来れば、更に乾きます。

何年も使い込めば使い込むほど、その状況は進行します。

その時に、皮が、緩みます。

乾燥すれば、皮も縮みますが、エアコンの効いている、室内ばかりにずーっと置いてあるわけではないですし、

外へ持ち出せば、また伸びることもあります。

木の方は、伸びたり縮んだりを周年を通して動きますが、全体としては、少しづつ収縮します。

皮は、伸びたり縮んだりを繰り返すと、伸びて行く方向に進みます。

皮が伸びて行けば、制作時より、音は出易く鳴ります。

しかし、6枚の木が、違う縮み方をすると、均一に張っていたものが、歪んできます。

それが雑音の原因になることも多いのです。

二胡は、幾ら乾燥しているとは言え、生の木と生の皮で作られています。

変化するのが当たり前なのです。

ですからある意味色々なHPに、二胡は雑音の出るものです、と書かれているのも仕方のない事です。

しかし、それを如何に、良い状態で作り上げ、保っていくかを考えだすのは、

楽器製作者としての使命だと思います。

それから、幸いにも、木は、ある程度乾燥してしまえば、それ以上は、動いたとしても、非常に小さい動きになります。

皆さんが、購入されて、3、4年以上、日本のエアコンの生活の中で過ごしたものは、
相当収縮したことと思います。

ですから、そのあたりで張り替えれば、殆ど、次に皮が、駄目になるくらいの12,3年間は、むしろ良い状態になると思って下さい。

皮を張り替えるのは、最善の雑音防止と考えて下さい。

たぶんみなさんにとっては、皮張り替えるなんてとても恐ろしくて出来ないという方も多いと思います。

しかし、三味線や三線などは、皮張り替えるというのは、普通の事なのです。

作ったところと環境が変わってしまって、雑音で悩まされ、しまいこんでしまわれるのは、可哀そうです。

それもありますし、またどこの馬の骨とも判らない、光舜堂などが、

ホントにちゃんと出来るのか?という疑問もおありの方も多いと思います。

多分、様々なうわさが飛んでいるかと思います。

ですので、今、東京以外の方にも、弾いて見ていただく機会を作る計画をしています。


一度ご自分で確かめてみてください。


続く

光舜堂クリニック

西野和宏。



Comment    この記事についてブログを書く
« 雑音を、直すことができるよ... | TOP | 雑音を治せるようになったと... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | ■工房便り 総合