雑音の原因は、3種類あります。
①、皮によるもの。
②、胴の木の部分によるもの。
③、糸巻きによるもの。
①の皮による、雑音と言うのは一番多いのかもしれません。
購入したばかりの、最初のころ、多分弾き込み始めてから、
10時間くらい弾きこむまでは、どのような二胡でも、全音に渡って、ガサガサの音が続きます。
これはどのような二胡でもです。
まだ張りたての皮が、安定していない状態ですから。
本来ならば、10時間ほど弾き込めれてから、店頭に並べばよいのですが、
量産物は、作られて直ぐ出荷されますから、そのあたりは、調整されていないと思ってよいでしょう。
工房物の、3、40万以上するものは、殆どが、ある程度皮がなじんでくるまで、弾きこまれて、いるようです。
そのためもあって、高額なものほど、最初から、雑音が少ないというのはあります。
しかし、安い物だからと言って、鳴らないというのは、言えないのが、二胡という楽器の面白いところかもしれません。
いずれにせよ、10、20時間位、(多分1ヶ月位)から、ガサガサ感が取れて、ふくよかに鳴り始めます。
みなさんにも、覚えがあることだと思います。
この段階で、残っている雑音が、ある意味ホントの雑音でしょう。
一番多いのは、第2ポジションの、3指、(ミ)のところでしょうか、
これは、実は皮による、雑音ではありません。
胴の構造的な問題なので、次の②に書きます。
皮による、雑音が一番出易いのはのは、空弦だけが、がさ付く。
特に外弦。
高音部、特に内弦、第2ポジション以後、出る音もあり出ない音もあると言うのが有ります。
また、特に第3ポジション以降、音と言うより雑音との組み合わせ的な、音になってしまう物もあります。
これらの原因は、全て皮の張り方にあります。
皮全体が均一に張られていないことが、原因です。
皮そのものは、薄い物、厚い物、伸びにくい物、伸びやすい物色々有りますが、
それぞれの特性に応じて張れば、問題は出にくいのです。
皮は、一枚一枚、その伸び方が違います。
基本的には、縦方向は伸びにくく、横方向には、伸びやすいのですが、
お腹の周りは、皆さんご存知のように、子羊一匹飲み込んだりもしますので、
非常に伸びやすく、乾いた時の状態の、1、5倍くらいにも伸びます。
私の場合、このお腹のあたりの皮は、使いません、
見た目には、一番鱗も大きく綺麗なのですが、張った後でも、伸びてしまうこともあり、
そうとう大きな蛇でも、厚みは無く、音に重厚感が出にくいのです。
音質的なことは、厚みがかなり関わります。
やはり厚い皮は、音の厚みも出てきますが、弾きやすい皮ではありません。
鳴りはじめるまでに、1年ぐらいは掛ってしまうでしょう。
さて皮による雑音です、
量産物の場合、一枚一枚の違いを考慮して、張っていくというのは、かなり難しいということが有ります。
6角形の胴だとすると、縦方向は伸びないのに、横方向は、良く伸びます。
均一に張るためには、引っ張る強度を、6辺それぞれに替えなければなりません。
その上一枚一枚が、伸び方が違いますから、これらは、最初から均一に張るというのは、無理なことのようです。
もちろんメーカーそれぞれに、工夫はしていることと思いますが、
値段のことから考えると、どこかで妥協線を作るしか仕方ないのかもしれません。
また、工房物の、1台1台、その皮の癖に合わせて、張ったと言う物は、
やはり皮による雑音は殆ど出ません。
せっかくかなり良い木を使っていたとしても、皮の張る段階で量産体制の工場では、
雑音を無くすまでの、作業工程と言うのは出来ないみたいです。
むしろ私が見てきた二胡の殆どは、良い木工技術で作られています。
よほど安い物は別にして、その殆どの木の部分は(木軸のことは、別にして)
量産物といえども、かなりのレベルにあります。
問題は、皮の部分でしょう。
皮さえ張り替えれば、その殆どの雑音無くせるのに、とつい考えてしまいます。
ですから、光舜堂としては、皆さんに、是非皮の張り替えと言うのを、お勧めいたします。
もう一台と言うよりはるかに安く出来上がることですし、
いずれは、皮は張り替えるものだとしたら、飽きて、いやになって使われなくなるより、
次に12、3年後に張り替えるまで、弾きこんでやろうと思われるような二胡で有ってほしいですし、
そのような二胡に作り直して、あげたいものです。
続く
光舜堂クリニック。
西野和宏
①、皮によるもの。
②、胴の木の部分によるもの。
③、糸巻きによるもの。
①の皮による、雑音と言うのは一番多いのかもしれません。
購入したばかりの、最初のころ、多分弾き込み始めてから、
10時間くらい弾きこむまでは、どのような二胡でも、全音に渡って、ガサガサの音が続きます。
これはどのような二胡でもです。
まだ張りたての皮が、安定していない状態ですから。
本来ならば、10時間ほど弾き込めれてから、店頭に並べばよいのですが、
量産物は、作られて直ぐ出荷されますから、そのあたりは、調整されていないと思ってよいでしょう。
工房物の、3、40万以上するものは、殆どが、ある程度皮がなじんでくるまで、弾きこまれて、いるようです。
そのためもあって、高額なものほど、最初から、雑音が少ないというのはあります。
しかし、安い物だからと言って、鳴らないというのは、言えないのが、二胡という楽器の面白いところかもしれません。
いずれにせよ、10、20時間位、(多分1ヶ月位)から、ガサガサ感が取れて、ふくよかに鳴り始めます。
みなさんにも、覚えがあることだと思います。
この段階で、残っている雑音が、ある意味ホントの雑音でしょう。
一番多いのは、第2ポジションの、3指、(ミ)のところでしょうか、
これは、実は皮による、雑音ではありません。
胴の構造的な問題なので、次の②に書きます。
皮による、雑音が一番出易いのはのは、空弦だけが、がさ付く。
特に外弦。
高音部、特に内弦、第2ポジション以後、出る音もあり出ない音もあると言うのが有ります。
また、特に第3ポジション以降、音と言うより雑音との組み合わせ的な、音になってしまう物もあります。
これらの原因は、全て皮の張り方にあります。
皮全体が均一に張られていないことが、原因です。
皮そのものは、薄い物、厚い物、伸びにくい物、伸びやすい物色々有りますが、
それぞれの特性に応じて張れば、問題は出にくいのです。
皮は、一枚一枚、その伸び方が違います。
基本的には、縦方向は伸びにくく、横方向には、伸びやすいのですが、
お腹の周りは、皆さんご存知のように、子羊一匹飲み込んだりもしますので、
非常に伸びやすく、乾いた時の状態の、1、5倍くらいにも伸びます。
私の場合、このお腹のあたりの皮は、使いません、
見た目には、一番鱗も大きく綺麗なのですが、張った後でも、伸びてしまうこともあり、
そうとう大きな蛇でも、厚みは無く、音に重厚感が出にくいのです。
音質的なことは、厚みがかなり関わります。
やはり厚い皮は、音の厚みも出てきますが、弾きやすい皮ではありません。
鳴りはじめるまでに、1年ぐらいは掛ってしまうでしょう。
さて皮による雑音です、
量産物の場合、一枚一枚の違いを考慮して、張っていくというのは、かなり難しいということが有ります。
6角形の胴だとすると、縦方向は伸びないのに、横方向は、良く伸びます。
均一に張るためには、引っ張る強度を、6辺それぞれに替えなければなりません。
その上一枚一枚が、伸び方が違いますから、これらは、最初から均一に張るというのは、無理なことのようです。
もちろんメーカーそれぞれに、工夫はしていることと思いますが、
値段のことから考えると、どこかで妥協線を作るしか仕方ないのかもしれません。
また、工房物の、1台1台、その皮の癖に合わせて、張ったと言う物は、
やはり皮による雑音は殆ど出ません。
せっかくかなり良い木を使っていたとしても、皮の張る段階で量産体制の工場では、
雑音を無くすまでの、作業工程と言うのは出来ないみたいです。
むしろ私が見てきた二胡の殆どは、良い木工技術で作られています。
よほど安い物は別にして、その殆どの木の部分は(木軸のことは、別にして)
量産物といえども、かなりのレベルにあります。
問題は、皮の部分でしょう。
皮さえ張り替えれば、その殆どの雑音無くせるのに、とつい考えてしまいます。
ですから、光舜堂としては、皆さんに、是非皮の張り替えと言うのを、お勧めいたします。
もう一台と言うよりはるかに安く出来上がることですし、
いずれは、皮は張り替えるものだとしたら、飽きて、いやになって使われなくなるより、
次に12、3年後に張り替えるまで、弾きこんでやろうと思われるような二胡で有ってほしいですし、
そのような二胡に作り直して、あげたいものです。
続く
光舜堂クリニック。
西野和宏