片付けられない人々

　先日車検に出した車を取りに行った帰り、何度か通っている道だが、初めてその家に気がついた。
　玄関先に、屋根まで届くゴミの山。車も半分埋もれているが、あれは乗っているのか？それとも廃車なのか？・・・ま、動かしたらゴミが崩れてきそうだけど。
　あれがテレビとかでよく見る「ゴミ屋敷」か。こんなところにもあったとは。
　それとは違うが、以前近所に多数の犬を飼っていた家があって、しかもろくに世話をしていないらしく道路から見える庭には犬小屋がひしめきあい、繋がれた犬たちがいつもキャンキャン鳴いているわ、地面はフンだらけだわ、でとても悲惨な状態だった。それがやっと保健所が動いて、犬たちは保護施設に移されて（新聞の地域版に載っていた・・・。有名な犬屋敷だったらしい・・・）、今では１匹もいない。あれは隣り近所も迷惑だが、犬たちにとっても迷惑だったろう・・・。
　という話を会社の昼休み中に話したら、皆近所にやはりそういう家があると言っていた。意外とよくあるらしいな、ゴミ屋敷・・・。あれは一体どういう精神構造なんだろう・・・。なぞだ・・・。
　それと関係がなさそうで関係のある話。姉がネット注文した本が、いつも私のところに回ってくるとき、何かかんか抜けているのに業を煮やし、「取りに行く！」と３連休中に姉の家へ行った。姉の住むアパートへは何度も行ったことがあるが、姉の部屋の中に入るのは、引越しの手伝いをしたときと、迎えに行って車の中から電話で到着を連絡しようとしても全然出ないので、のこのこ上がっていったときだけだ。そのときは入口から顔を突っ込んだだけだが、それでも十分物が多すぎて全く片付けられていない様子が見えた。どうせ整理整頓できてなくて、どれを私に回してあるかないかわからないんだろう・・・と予想しつつ階段を上って廊下を歩いていくと・・・。
　何なんだ？！この臭いは！！どの部屋だかわからないが、外を通り過ぎるだけですごい臭いがする。例えて言うなら、小学校の掃除道具入れに、濡れたままのぞうきんを突っ込んでおいて腐った臭い・・・。（え？そんな経験ない？）
　多分、掃除しない、ゴミ出しもしない家があるのだろう・・・。それでこれだけ臭いが外に洩れるなら、死体がありゃーそりゃあ臭うだろうよ！などと思いつつ、通り過ぎて姉の部屋にたどり着いた。
　で、姉の部屋に入ると・・・部屋がない。いや、部屋はあるけど、本やらダンボールやら通販で頼んだ商品やら、物が床に積み上げられていて、通路スペースしか確保されていない・・・。まあ、少なくともゴミが積み上げられているわけではないし、まだよしとしなくては・・・。そう、前にテレビで見たぞ。こういう「片付けられない人」というのは、空間認知能力が欠けているため、どうやって物を空間に配置していいのかわからないのだと言っていたしな。怠けてこうなっているわけじゃない（いや、これもあるよな！）から、怒っちゃいかん・・・。
　私は「本はこのへんにあるはず」と姉のいう辺りを掘って、自分の読みたい本を見つけ出した。それにしてもこの女、私が読まないから回してこないけど、こんなに大量のライトノベルやマンガを買いまくっているのか！と呆れた。この間、本棚買って並べないから、どの本があってどの本がないのかわからないんだ、と言っていたが、本棚買っても置くところはない・・・。
　しかし、私と一緒に暮らしていたときはここまでひどくなかったよな・・・。いやいや、よく考えたら、私が週末になると「掃除しろー！片付けろー！」とくどくど言って無理やりやらせ、ときには勝手にガキどものおもちゃをタンスの中に放り込み、共有スペースは私が掃除していたもんな・・・。ふう・・・。
　しつこいようだが、少なくともゴミだけはちゃんと捨てているし、あれで意外と（意外と、は余計だ！と文句言われそうだ）エコには気を使ってるんだよな。ペットボトルや紙パックはちゃんと洗って干してスーパーの回収箱に持っていくし、分別は守るし廃品回収に出すし。（一応フォローしとかないと、このブログ読んでるからな！だったら書かなきゃいいんだが、ネタがなければ親兄弟でも売れ！というのが私のモットーだ・・・）世間の近所迷惑なゴミ屋敷に比べたらよほどきれいだし、隣り近所に迷惑はかけていないし、（同じ階のくさい家は、ペット禁止なのに猫を放し飼いにしているらしい。猫は綺麗好きなんだぞ！猫が迷惑だっつーの！）私が一緒に住んでいるわけでもないし！だから見なかったことにしよう、と決める、優しい（？）妹であった・・・。