6/30。夜7時過ぎ、私は暑いので窓を開けながら夕食を食べていた。猫たちはベランダで夕涼み。そこへ、猫のかん高い鳴き声が聞こえてきた。最初のうちうちの子が変な声で鳴いてるな~くらいに思っていたのだが、どうも遠いし細すぎる。ベランダに行ってみると、うちの子はいたが鳴いていない。アパート側の窓から下を見るが、何もいない。じゃあ庭か?とベランダから下を見るがやはりいないし、声もほとんど聞こえない。やっぱアパート側だと思うんだけど、いないなあ・・・とのこのこ庭へ出てみた。声は小さく聞こえるが姿は見えず。なんか必死で呼んでる感じ。「どこにいるの?」と声を出すとミーミー大きくなった。うちの敷地のアパート側の端へ行くが、すぐ近くに聞こえるのにどこにもいない。境の塀と塀の隙間は狭すぎて猫が入ることなどできない。しかし声は聞こえているのだ!
まさか・・・ここ?と私はこんがらがった(剪定しないからだ・・・)植え込みの枝をかきわけた。
「ミーッ」
ありー。こんがらがった枝にからまったねずみが・・・じゃない、みーみー鳴いているんだから猫だ。小せえーっ!思わず枝をはがして救出してしまい、更にあまりの小ささにびびる。「ど、どうしよう」
慌てて動物病院に行こうと思うが、寝間着姿の私はまず着替えなくてはならず、食べかけのご飯を猫に食べられないようザルをかぶせ、猫を運ぶキャリーにペットシーツとタオルを敷いて仔猫を入れ、車で行きつけの動物病院へ向かった。そのときすでに7時半を過ぎていたので、ちょっと遠いがやっている病院はそこしかなかったのだ。車で約15分、間に合ったーと思ったら、明かりが消えている。ええっ?とインターフォンを鳴らすが返事はなく、車の中から電話をかけてみると、留守電が「本日午後は都合により臨時休業しております」
・・・えーっ、なんでよりによって今日!?と仕方なく道を戻り、前に行ったことがある病院へ。そこは医者の住居兼病院なので、少なくとも医者はいるはず。インターフォンを鳴らそうとして、ドアの張り紙に気づく。「院長が心筋梗塞のため、長らく休院してしまいご迷惑をおかけしました。6月×日より診察を再開しておりますが、体調をみながらとなります。ご了承ください」・・・あー、あの医者、私より年下なのに見事なビール腹だったもんな・・・と思いつつ鳴らしたが、インターフォン越しの医者は「急患なんです」と言いかけた私に「心筋梗塞で・・・とても対応できないので・・・」とぼそぼそと呟いた。オレは赤ちゃん猫に異常がないか診てほしいのと、子猫用ミルクと哺乳瓶をわけてほしいだけなんだよう!何も死にそうだから手術してくれと言ってるわけじゃねえ!と思ったが、どういう状況か聞きもせずそういう医者に、何を言ってもムダだな、と呆れつつムカつき、じゃあいいです、と再び車を出す。
仕方がないからさっき通りがかったホームセンターで猫用ミルクだけでも探そう、哺乳瓶はなくてもガーゼがあればなんとかなる・・・と向かったが、ガーン・・・8時を過ぎたためすでに閉店していた。
いちばん家から近い病院は、前にうちの猫が尿路結石でぐったりしているのを時間外に連れて行ったら、「石が詰まって死にそうなんです」と言ったにもかかわらず「時間外なので他行ってください」と言われて(医者じゃなくてたぶん同居している母親らしいおばさんに言われたんだけど)激怒したことがあったので、最初から行く気がせず、家に戻った。猫はその頃には全く鳴かなくなっていたので、さすがに泣きそうな気分になる。もしかしたら自分が連れまわしている間に実は母猫が迎えにきていたかもしれない、だったら拾わなかったほうがよかったのにとか、ぐるぐる考えて動揺してしまった。
牛乳は下痢をするからよくないとは知っていたが、赤ん坊が朝まで水だけでもつとは思えず、この際多少はしょうがない、と温めてガーゼに浸し、口に突っ込んだ。ちゅばちゅばと吸い始めたので飲みたいだけ飲ませ、濡れたガーゼでお尻をマッサージ。おや、女の子だ。勢いよくオシッコをしてくれたのでほっとした。しばらくするとまたみゅーみゃー泣くのでもう一度牛乳を温めて飲ませる。スポイドがあったので、その先にガーゼを巻いて滲み出させるようにしながら飲ませてみた。ううむ、さっきよりはイイ感じ。結局飲んではオシッコをさせ、ということを3回くらい繰り返し、そのうちぐるぐる言いながら眠ってしまった。やれやれ・・・とキャリーに入れて、その隙に自分の夕食の後片付けをして(もう食べる気は失せていた)、風呂に入った。
他の猫たちは警戒してロフトに上がってしまっているし、老猫はフーフー怒っている。私はリビングに布団を敷いて寝ることにした。いつも一緒に寝ている老猫は淋しがるだろうが、仕方がない。老猫が心広ければ、一緒の部屋に寝るのだが・・・。
風呂から出てくると、目を覚ました仔猫が鳴くので牛乳を飲ませてオシッコをさせる。窓を閉めるとあまりに暑いので、タイマーでクーラーをかけて、仔猫にはタオルをかけて暖かくして寝かせた。
翌朝、5時半に仔猫が鳴くので起きて牛乳を飲ませる。オシッコは少し出た。やっぱり何度も飲む割にあまりたくさんは飲めていないのかもしれない。他の猫にもエサをやり、会社は休むしかないので二度寝。9時前に会社に電話をかけると予想通り先輩が出た。「猫を拾ってしまったので休ませてください・・・。明日病院に連れて行って、預かってもらえるよう頼むつもりなので、明日の午後出社します・・・」あいにく木曜のため、どの病院も休診日だったのだ。「部長に代わる?」「いやいやいや!」先輩は部長に私が休みのことを告げ、何か用があるか聞いてくれた。「別にないからいいって」「どうもー」
9時半、猫が寝ている隙にちょっと遠い大きなホームセンターへ車で行った。近所のホームセンターに哺乳瓶があるかどうか不安だったのだ。それでもさんざ探して(哺乳瓶1種類、赤ちゃん猫用粉ミルク缶1種類、全年齢用液体ミルクパックが1種類しかなかった!動物病院やペットショップも入っている大きなホームセンターなのにさ!)購入。帰ってきてからしばらくすると目を覚ましたので、さっそく粉ミルクを計って溶かし(ミルク缶には「一度沸騰してから50~70度に調整した湯を加え、ミルクを溶かした40度前後に冷まして与えてください」と書いてあったが、手抜きして少量の水をカップで適当にチンした・・・)、おけに張った水に哺乳瓶を突っ込んで冷まして飲ませた。前日、どれだけ小さいのか台所用スケールで猫の重さを計ったのだが、250g弱だったので、缶の表示によると、生後14~17日くらいか。目はほとんど見えていないようだ。これくらいの子だと1日に粉ミルク10g湯54cc、授乳回数6回・・・って、1回あたりめちゃ少な!と思いつつ、そんなん計れないや、と6分の1より多めに作る。ところが、この子は1回に飲む量は少ないのだが、ちょっと休んではまた欲しがり、結局4回くらいに分けて飲んでものの、おかわりまでしたのだ!6分の1どころか2分の1は飲んだよね?うひゃー、おなかパンパン!
とにかくこの子はよく飲むんだけど、飲む→オシッコさせる→飲む→オシッコ→飲む・・・と、飲むからオシッコが出るのか、出るからまた飲むのかわからんくらい何度も飲むので、1回の授乳に最低30分かかる。めんど・・・
こんな小さい猫を育てるのは初めてなので、これでいいのかすごく不安。飲んでる途中でいきなりばたっとうつ伏せになって動かなくなったから、「え?何か悪かった?ちょっと熱めだなーとは思ったけど、火傷でもして死んじゃった?!」と真っ青になったら、単に寝ていたとか・・・目を開けたまま仰向けで手足をピクピク痙攣させるから「何!?けいれん?どうしたの?!」とおろおろしたら、やっぱり目を開けたまま眠っていただけとか(手足を動かすのは夢でも見てるからなのかなー?)。そんなこんなで気が休まらず、自分の食事を作る精神的余裕もなく、1日中偏頭痛に悩まされたこともあって、夜風呂場でいつものように体重を計ったら、20代以来の46キロ台を示していた・・・。・・・いつもは食いすぎだということか・・・とゆーか、いつもは食べなくても絶対に47キロよりは下がらないので、やっぱすごいストレスだったということなのか。
さて、ミルクの期間は3週間くらい、そのあと離乳食を混ぜ始めて、ということなので、どう考えても自力で食事したりトイレができるようになるのにはひと月ちょいかかる。生後2週間くらいと考えると、3週間は家に置いてきぼりにはできない。私は、現在失業中でにゃんこスキーの友人にメールを打った。「1週間くらい赤ちゃん猫を預かってー!」友人からは「前に仔猫を迎えたとき、家猫が家出したから無理。その代わり世話しに通ってもいいよ」との返事。よかった・・・。そのあとは2週間、休暇を取れば何とかなるかな・・・(幸田は今年永年勤続特別休暇が10日間もらえるのだ)。
この日の授乳は5時半、11時、18時半、23時半、2時。回数少なく見えますが、実際には下手をすると1時間くらいにわたって何度も飲んだりしてます・・・。オシッコは刺激すれば出たが、ウンチは出ず。ミルクばっかりだからまだあまり出ないのかなあ?明日病院で聞いてみよう・・・。
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