華麗なるオーストラリアンライフ

渡豪17年。職業・看護師。
白熊のようなオージーの旦那1人とワンコ2匹で
ニューサウスウェルス州の田舎町で生息中。

看護師の光と影

2013年11月26日 21時47分16秒 | Weblog
本日午前シフト。病院にたどり着いたら「今日は精神科よ~」。
そのときナースステーションの隣にあるスタッフルームに先輩と2人でいたんだけど、その声を聞いた先輩の、何も言わないまでも「カワイソー」という感情が如実に現れた顔が忘れられない。私は精神科に行くのにそこまで抵抗はないんだけど、多くの看護師は行きたがらない。一般病棟とは雰囲気が全然違うからわかる気もする。

精神科で働くのは2ヶ月ぶりぐらい?
精神科に行くことは問題ないんだけど、スタッフとなじむまでに暇がかかるのでそれは面倒くさい。みんな顔見知りでも、アウェイな感じは否めないので。今日は比較的フレンドリーな人と一緒のシフトだったためそれは助かった。
担当は7名と悪くない。ほとんどの患者さんは自分のことは自分でできるのでトイレに連れて行くこともないし、ナースコールに応えることもほぼない(用件があったら自らナースステーションにやってくる)。主な仕事は投薬と皆が大丈夫かどうかのチェック。そんな感じなので時間の経過スピードは一般病棟の半分ぐらい。今日は9時にはすべての投薬が終わっており、一般病棟では信じられない時間に午前休憩を取ることができた。一般にいたら投薬の後はシャワー、ベッドが待ってるもんなぁ。精神科で働くことは肉体的にはうんと楽なんだけど、何せ時間が経つのがゆっくりなのでそれがしんどい。もしもスタッフと仲良くしゃべれるならウダウダする時間が持てて楽しめるのかもしれなけど、アウェイの私にはそれもないし。精神科のシフトは月に一回ぐらいでちょうどいいかな。

特に大きなドラマもなく、つつがなくシフト終了。肉体的疲労度も低く、4連勤の初日にもってこい。良かった良かった。

ところで。
休憩中に一般病棟の同僚と話す機会があったのだけど、混乱、もしくは認知症を患っている人が集まったエリアで、土曜日に私が帰った後でドラマがあったらしい。前にも書いたように、認知症は夕方になると症状が強くなる傾向にある。土曜日の午後、前にも新規入院の患者さんを殴ろうとした男性患者さんの混乱具合が悪化し、杖で同室の男性を殴ったため、急きょ大きな病院へと強制送還されたそうだ。混乱からくる妄想で聞こえるはずのない声が聞こえていたらしい。何度か担当になった患者さんだったのでこの話を聞いて胸が痛んだ。
また、重度の認知症で徘徊癖があり、かつ身体の機能が著しく衰えて緩和ケアに入っていた患者さんも月曜日の明け方早くに亡くなったそうだ。もう90歳を超えていて、長くはないと思ってはいたけど、やはりショックはショック。まぁ、医療従事者である以上こういう場面に出くわすのはどうしようもない。
でも今日、精神科では、数ヶ月前からうつ病で入院していた人の様子が劇的に変わっていて、それに感動した。寝てばかりで話しかけても無反応だったのに、今日は笑顔まで見れて。どこの病棟にいても、患者さんが良くなっていく様子を見るのは嬉しい。これは医療従事者であることの喜び。
ほんと、看護師の仕事ってメリー・ジェーン校長の言うことが的を得ているなぁ。(「キャンディ・キャンディ」参照)。

さて。
明日は午後シフト。多分一般病棟勤務。年末を前に手術もラストスパート。忙しいかもな~。しばらく認知症患者さんばかりを担当していたので、明日あたりは術後患者さんの担当になりたいけど、上はどう判断するかしらねぇ。
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