華麗なるオーストラリアンライフ

渡豪17年。職業・看護師。
白熊のようなオージーの旦那1人とワンコ2匹で
ニューサウスウェルス州の田舎町で生息中。

急な呼び出しにはドラマが付きもの

2013年11月15日 21時14分51秒 | Weblog
久々の夜勤。

チョーしんどかったー。

このところウチの病院は書類が増えた。なので仮に以前と同じ数の患者さんを担当していても、作業量がかなり増えている。昨夜は10名担当。しかも知らない患者さんばかり。過去の記録を読んで患者さんの様子を把握する必要もあったのでそりゃあ大変だった。

それに加えていくつかのドラマ。
まず。シフトが始まったばかりのときにある高齢の男性患者が胸の痛みを訴える。胸の痛み=狭心症、急性心筋梗塞、心不全など緊急を要するものが疑われるので、ヴァイタルサインのチェック、酸素の吸入、心電図などに取り掛かる。その一方でドクターも呼び出し。結果的に上記の病気ではなく、痛みもすぐに治まったのでとりあえずオッケー。ところがこの患者さん、入院理由が"軽い錯乱状態"。どうやら幻覚が聞こえているようでしばらくの間興奮状態が続き、寝かせるのに苦労した。ふぅ。

続いて。
認知症のおばあさん。徘徊癖が症状のひとつ。目を離した隙に病棟内をウロウロ。ほかの患者さんの部屋に入って寝ている患者さんを起こす。上記の錯乱の気があるおじいさんの部屋にも入り込んでブツブツ独り言をいっていたらしく、やっと寝てくれたおじいさんの錯乱を増長させたりもしてくれた。ドクターが処方している興奮を抑える薬と眠り薬を処方したらしばらく寝てくれたけど、尿道カテーテルにつながるバッグ(尿を溜める袋)を外してしまっていて、ベッドがべっしょり。あぁ

ほかに。
これまた軽く混乱しているおじいさん。点滴につながっているからトイレに行くときはナースコールしてねと再三伝えたにも関わらず、覚えられないのか2度ほど無理やり引っ張って、その結果点滴の針自体が抜けていた。見回りで気がついたときにはおじいさんのパジャマは血だらけ。そしてベッドは点滴のせいで水浸し(オーマイガッ)。

最後に。
早朝の投薬をしていると、夜通しよく寝ていた別のおじいさんが「おーい」と私を呼ぶ。これまたちょっと混乱の気がある人。この患者さんはお腹から直接膀胱へ尿道カテーテルが挿入されているのだけど、その挿入箇所から尿漏れ(膀胱に穴が開いている状態なんだけどチューブで埋まっているはずなのでこんなことは頻繁には起こらない)。しかもグッスリ寝ていたのか濡れていることに気づかなかったようで、呼ばれたときにはかなり広範囲で"世界地図"が出来上がっていた。これはもう身体を拭いてどうのこうのというレベルではなかったため、そのままシャワー。ほかにもやることたくさんあるのにシャワーなんてやってる時間ないよーと半泣き状態

各ドラマが起こっている間にも、ほかの患者さんの「トイレ連れてってー」というリクエストにも応えているし、おばあさんの徘徊も一度や二度はないし、混乱の気のある人たちも何度もなだめて眠るように仕向けている。
というわけであっという間に朝が来た。シフトを終えたらグッタリ。休憩はちゃんともらえたけど、それ以外はイスを温めている暇がないぐらい。しんどかったー。

帰宅して爆睡と言いたかったけど、お昼過ぎには目覚めてしまった。でも明日は早番なのであまり寝たら夜眠れなくなるのでそのまま起床。銀行へ行く用時があったので、ついでに昨日焼いたブラウニーを持って病院にも顔を出した。そして駐車場へ向かおうとするその道すがら、例の錯乱のおじいさんの姿が。ノシノシと病院とは反対側の方向へ歩いている。「これはおかしい」と思って追いかけ、「何してんの?」と引き止めた。そしたら「荷物をまとめないと」「銀行でお金を引き出して」「どこに住んでるかわからない」と脈絡のない発言。そして病院に連れて帰ろうとしたら「いやだ!」「どこへ行くんだ!?」と興奮し始めた。そうこうしているうちにおじいさんがいなくなったことに気づいたスタッフが慌てて駆けつけてきた。どうやら目を離した隙に外に出たらしい。「Yoshi、ファインプレーや!」と駆けつけた先輩からお褒めのお言葉。何はともあれ大事がなくて良かった。

なんやかんやで今日は患者さんに振り回された気分。明日は午前シフトやけど、多分担当になるんやろうなぁ。うう、忙しくなりそう…。

ところで。
今回、急な呼び出しだったために、夜勤の10時間に加え、本来働くはずだった今日の午前シフト分のお給料ももらえることになった。Sleeping timeとかいうらしい。おそらく夜勤に備えて事前にちゃんと休んでおらず、無理をさせたからという理由で特別に付く手当だと思われる。
今回の呼び出しは先輩看護師の体調がよくないからだと思っていたけど、婦長によるとこの先輩、お休みの間にパーティーに参加したりしてわりと元気にしていたらしい。加えて、出勤約2時間前の体調不良による病欠申請もいただけない(夜勤スタッフを見つけるのは日勤よりも難しい。この先輩看護師は以前うちで婦長を務めていたほどの人なので、病欠の理由がやや嘘くさい上に取り方が強引だということは本人が一番わかっている)。ということで婦長はいたくご立腹の様子だった。私には政治的なことはわからんけど、おかげで棚ボタの特別手当がもらえたのでありがたい話。便利使いされることは悪いことばかりではない。

よし。明日に備えてもう寝よう。明日が終わればまた休み。うれしー。頑張るぞー。
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