華麗なるオーストラリアンライフ

渡豪17年。職業・看護師。
白熊のようなオージーの旦那1人とワンコ2匹で
ニューサウスウェルス州の田舎町で生息中。

反省した

2016年04月08日 20時06分56秒 | Weblog
今日も午前シフト。あと4つもあるなんて信じられない。7つはきついなぁ。

今日はMedical7へ。わがMedical8はオーバースタッフで、あらかじめここに配属されることがわかっていたので、ちょいと気楽やった。
今朝は10名の患者さんに対し4名の看護師。さらに学生さんと研修中の新人さんがいたので、狭い病棟はスタッフでいっぱい。Medical7は患者数が少ないので、担当わけがなく、全員で全患者さんのお世話をする。へんな話やけど、みんなで競うように作業を探していた。正直途中でやることがなくなって、時間を持て余したぐらい。今日はいい一日だったらしいけど、それにしたってやることなさすぎ。これはこれで辛い。早起きですでに疲れている身には余計に。看護記録を読んだり、調べものをしたりしたけど、今日はヒマやたなぁ。
今日知ったんだけど、Medical7も8も担当患者数は1名の看護師に対し3名なんだそうな。なぜなら入退院がいつあるかわからないから。元々ショーステイユニットなので予想される出来事ではあるけど、実際それが起こると忙しくなる。幸いまだそんな忙しい日に当たったことがないので“ヒマな病棟”と位置づけることはしないけど、前職場からのカルチャーショックは隠せない。前職場では座る暇も、時には休憩に行く暇もなかったもんなぁ。

ところで話はずれるけど、昨日Medical8で勤務中、ある患者さんをCTスキャンに連れて行く予定になっていた。先輩が行ってくれるものと思っていたけど、諸事情で私が行くことになった。前の病院でやったことはあったけど、今の病院ではやったことがなかったので不安と緊張でドキドキ。

患者さんはすい臓がんを患うおじいさん。歩く際に押し車が必要ではあるけど、82歳にして見た目はまだピンピンしている。昨年診断されてから年齢のわりに驚くほど早く進行し、現在ステージ4とされている。この日の治療はガンの影響でつまり気味の胆管をどうにかできないか内視鏡で見るものだった。
実は申し渡しに行く前に、奥さんがツツ…とよってきて「もうこの年齢だし、症状も症状だし、もしも何かが起こっても延命治療は望みません」と言ってきた。患者さん本人も了解済み。
そして申し渡しのとき。私は自分のことばかり考えて、すっかり患者さんのことを忘れていた。スキャン室の控え室でスタッフと「初めての申し渡しで~」とかキャッキャキャッキャ話している間、おじいさんはこの内視鏡検査の間に命を落とすかもしれないと考えていたようで、私が気が付いたときは目に一杯涙を溜めていた。一気に正気に戻った私は「どうしたの?」と尋ねたところ、私の手をギュッと握って「うちの孫はトロンボーンを演奏するんだ」「上手なんだよ」「もう一人の孫はチェロを弾くんだ」というような話をしてくれた。静かに、でも多少パニックを起こしていたようで、話している内容に一貫性はなかったけど、明らかに死ぬことを意識した話の内容だった。

あとでめちゃくちゃ反省。

おじいさんのストレスを考えたら、私の申し渡しの失敗なんてなんてことはない。新人だろうがなんだろうが、患者さんから見たら“看護師さん”。自分のことにひたっている場合ではなかった。
おじいさんの検査中にシフトが終了したので結果は知らない。おそらくこの検査で命を落とすようなことはなかったと思う。というか、そう願う。
私は看護を作業としてこなしているけど、患者さんにしてみればその一つ一つが生死に関わる怖いものであるかもしれない。もうそういう基本的なことを忘れていた自分を深く反省した。
私も今は大変。だけど患者さんのことを忘れないようにしないと。

さて。
先にも書いたように、今日はMed7での勤務だった。どうやらMed8は今日の午後からまた閉まったらしい。おそらく明日の朝開くことはない。というわけで、明日私はまたどこかに送り出される。一体どの病棟に行くんやろうなぁ。週末に勤務をするのは初めて。忙しくないことを願うばかり。

もう9時をまわっている。Dはすっかり高いびき。私もとっとと寝よう。
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