比喩について

2006-04-06 19:49:09 | Weblog
      草いちごの花

 物事を説明するとき、相手のよく知っている物事を借りてきて、それになぞらえて
 表現すること。その方法により、直喩・隠喩・換喩・提喩・諷喩などがある。

 直喩   「たとえば」「ごとし」「ようだ」
 
 暗喩   言葉の上では,たとえの形式をとらない比喩。「雪の肌」
 (隠喩)     「ばらのほほえみ」の類。メタファー。
 
 換喩   言い表そうとする事物を、それと関係の深いもので表現する修辞法。
      「金バッジ」で国会議員を表すなど。
 
 堤喩   「太閤」で「豊太閤」(豊臣秀吉)、「山(やま)」で「比叡山」を
      「小町」で「美人」、「花」で「桜」の意を表す 
 
 諷諭   たとえによって本義をそれとなく表現したり推察させたりする修辞法。
      「朱に交われば赤くなる」で「人は交わる友によって感化される」
      の意を表す類。


 比喩句の難しさは,最近特に感じている。
 初学のころは、何でも「如し」「如く」だった。
 誰でも感じて数多く詠まれているものに「如く」と言っても「そんなことは知ってる」
 になる。例えば木蓮などは「子供の掌」「手」「指先」、三日月などは「刃物」
 これを直喩で詠っているうちはいいのだが。
 
 掲示の比喩法の内、換喩,諷喩は俳句にはむかない。換喩は独り善がりの解釈が
 あり、諷喩は種明かし俳句となる。
 辞典などでは、暗喩と隠喩は同意語になっているが、少し違いがある。
 暗喩は掲示の通りの意味あいがあり、隠喩には例の「雪の肌」から一歩踏み込んだ
 表現と解釈がる。これを言葉で説明するのは難しい。
 
 久女の句「花衣ぬぐや纏はる紐いろゝ」この句の最後の文字「ゝ」は
 ひらがなの「く」のような記号で繰り返すことを意味する。
 花衣=五 ぬぐや纏はる=七 紐いろゝ=六 
 この不自然な「く」こそ隠喩であると解釈している。
 過去にこの句の「く」は縦書きに書いた時、解かれた紐の姿だと聞いた事が有る。
 花衣ぬぐや纏はる紐のいろ と「五 七 五」でも収まったはずなのだが・・
 
 比喩句は発見をすることで読者がなるほどと認知できた時に完成するものだと
 思う。


コメント
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