3月 23日

2020-03-22 19:08:51 | Weblog
                    花・花埃・花明かり・花見・花衣・花筵


     花の山ふもとに八十八の母        沢木欣一


     繭倉の裾を流れて花の水         細見綾子


     朝靄に前山けぶる花の宿         栗田やすし


     ラケットの破れ繕ふ花の雨        河原地英武


     足湯して眠気兆せり花の昼        国枝隆生


     花疲れ柱に凭れ足袋を脱ぐ        矢野孝子


     寝そべつて土の湿りの花筵        関根切子


     新聞紙拡げ二人の花見席         岸本典子


     廃校となりし母校や花の雨        太田滋子


     西行の老いの木像花あかり        清水弓月


     花疲れ読まずにしまふ凶みくじ      中斎ゆうこ


     ぬり絵する母の真顔や花の雨       山本光江


     花あかり子規が仮寓の山本や       ころころ



          



     花どきの一週間は一と昔          今井干鶴子


     女との会話汗ばみ花過ぎ          滝 春一


     会ひに来ていま花時よ蜜柑島        石川桂郎


     花どきの窓開け忘れ閉ぢ忘れ        橋本榮治


     花時の猫の足拭く因果かな         長谷川双魚 




          
コメント
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