新年・年新た・年明くる・年の始・ほか
あらたまの春の野に出づ常乙女 沢木欣一
琴唄の八重の潮路に初日さす 細見綾子
あかあかと桜榾焚き年迎ふ 栗田やすし
新日記先づ一行は母のこと 丹羽康碩
榾くべて火の音うれし初竈 下里美恵子
病む母の唇に福茶のひと雫 矢野孝子
初鏡父似の眉をととのふる 伊藤範子
研ぎ上げし文化包丁年新た 関根切子
淑気満つ起筆の墨のおきどころ ころころ
恭賀新禧一月一日日野昇 正岡子規
一行の心を籠めし年始状 高浜虚子
一輪の霜の薔薇より年明くる 水原秋櫻子
元旦やいつもの音にいつもの戸 吉田鴻司
一歳の稚児が礼して年新た 都筑智子
湯気のたつほかに音なきお元日 宇多喜代子
サイトから一部資料・写真お借りしています