４月 １０日

　　　　　　　　　　　　　　　（　桜　）



杉間より流るる枝垂桜かな 　　　　　　　　　　　沢木欣一


高麗の里枝垂桜が紅潮す 　　　　　　　　　　　　細見綾子








へそ小さき風神雷神桜舞ふ　　　　　　　　　　　　栗田やすし









伊吹嶺の俳句　（ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています）
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遅桜田毎の水のひかり合ふ　　　　　　　　　　　　梅田　葵


降り出しの雨に色濃し初桜　　　　　　　　　　　　下里美恵子


三味の音にさくらほつほつ野文楽　　　　　　　　　都合ナルミ


少し笑む父の遺影に初桜　　　　　　　　　　　　　倉田信子


肩かるく叩く励まし初ざくら　　　　　　　　　　　河原地英武


人と行き人と離るる桜かな　　　　　　　　　　　　山　たけし


寺町に寺の託児所桜咲く　　　　　　　　　　　　　宇佐美こころ


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４月 ９日

　　　　　　　　　　　　（　蕨　）



丘にきて風のうごかす蕨摘む 　　　　　　　　　秋元不死男


採りためて日の匂ひ満つ蕨かな 　　　　　　　　八木絵馬


日輪の燃ゆる音ある蕨かな 　　　　　　　　　　大峯あきら


干蕨かたづけしあと塵もなし 　　　　　　　　　小川軽舟





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窯焚きへ湯気あたたかき蕨飯 　　　　　　　　　武田稜子


蕨摘む鬼の雪隠見下ろして　　　　　　　　　　　国枝洋子


ほつほつと生ふる蕨の背くらべ　　　　　　　　　鈴木みすず


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４月 ８日

　　　　　　　　　　　（　仏生会・灌仏会・降誕祭・花祭　）



灌仏会ぬぎし草履をふところに 　　　　　　　　　　細見綾子


ぬかづけばわれも善女や仏生会 　　　　　　　　　　杉田久女


わらべらに天かがやきて花祭 　　　　　　　　　　　飯田蛇笏


園長の僧に戻りて灌仏会 　　　　　　　　　　　　　田中純美


降誕会天上天下に光満つ 　　　　　　　　　　　　　齊藤よしお


くろがねの丹田ひかる甘茶仏 　　　　　　　　　　　野澤節子




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葺きあげて百合のかをりの花御堂　　　　　　　　　福田邦子


坊が妻作務衣に残る甘茶の香　　　　　　　　　　　谷口千賀子


小柄杓を脇に二寸の甘茶仏　　　　　　　　　　　　丹羽康碩


花まつり釈迦誕生の紙芝居　　　　　　　　　　　　長崎真由美


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幼子の顔より小さき甘茶仏　　　　　　　　　こころ

４月 ７日

　　　　　　　　　　　　（　桜草　）


一杯のコーヒーの銭さくら草　　　　　　　　　　細見綾子


夜の部屋に日向の色の桜草 　　　　　　　　　　片山由美子


少女の日今はた遠しさくら草 　　　　　　　　　富安風生


二鉢に競ひて咲けり桜草 　　　　　　　　　　　手島知韶


硝子戸の晴るる日曇る日さくら草 　　　　　　　松本たかし




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さくら草一葉井戸の錆袋　　　　　　　　　　　　佐藤とみお


介護士のやさしき問ひやさくら草　　　　　　　　清水聡子


婚の荷の着く庭桜草あふれ　　　　　　　　　　　　久野和子



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武蔵一宮　氷川神社の鎮花祭　今日七日までです

４月 ６日

　　　　　　　　　　　　（　辛夷　）


晴天のこぶしはじめは光りなり　　　　　　　　


辛夷咲き日暮れのこころ永くせり　　


雑木山にこぶし点々子の初旅　　　　　　　　　　　細見綾子



一辨のはらりと解けし辛夷かな 　　　　　　　　　　富安風生


一山に一樹のみある夕辛夷 　　　　　　　　　　　　能村登四郎


風摶つや辛夷もろとも雑木山 　　　　　　　　　　　石田波郷



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行商の乗り継ぐ駅や花こぶし　　　　　　　　　　　八尋樹炎


五箇山やつぼみ犇めく幣辛夷　　　　　　　　　　　巽恵津子


雲晴れて富士山麓のしでこぶし　　　　　　　　　　小田二三枝






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４月 ５日

　　　　　　　　　　　（　浅草寺・伝法院　）



スカイツリー江戸の桜を見下ろしに　　　　　　　　　　栗田やすし


浅草寺・伝法院のお庭が開放されています
これほど美しい景色は、毛越寺の紅葉以来です　これほど静かな浅草が有るなんて思いも
寄りませんでした
５月７日（月）まで　【拝観時間／10:00～16:00】入場料:300円





桜咲きあまりに青き江戸の空　　　　　　　　　　　　　栗田せつ子









　

４月 ４日

　　　　　　　　　　　　　（　桃の花　）


ふだん着でふだんの心桃の花 　　　　　　　　　　　細見綾子




（サイトから）


伊豆の海紺さすときに桃の花 　　　　　　　　　　　沢木欣一


大いなる月の出でゐし桃の花 　　　　　　　　　　　岸風三楼


人麻呂の石見を見たし桃の花 　　　　　　　　　　　森 澄雄


桃咲くや父と娘いつも幼かり 　　　　　　　　　　　石原八束





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桃咲くや一気にふえし子の言葉　　　　　　　　　　栗田せつ子


嬰の手のいつも万歳桃の花　　　　　　　　　　　　伊藤範子


山際は風の袋路桃の花　　　　　　　　　　　　　　梅田　葵


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４月 ３日

　　　　　　　　　　　（　花大根、浜大根、諸葛菜、紫花菜　）



田の墓のどれも影濃し花大根 　　　　　　　　　　皆川盤水


足もとに点るむらさき諸葛菜 　　　　　　　　　　草間時彦


脱藩の道と知りけり諸葛菜 　　　　　　　　　　　野口弘子


鎌倉は木暗し崖の諸葛菜 　　　　　　　　　　　　久保美智子


潮騒の聖堂低し花大根 　　　　　　　　　　　　　水原春郎


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諸葛菜広ごる耶蘇の処刑跡　　　　　　　　　　　　野島秀子


花大根咲き紫に日暮たる　　　　　　　　　　　　　中山ユキ


灯台へ続く小径や花大根　　　　　　　　　　　　　菊池佳子


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４月 ２日

　　　　　　　　　　　（　ヒヤシンス・風信子・夜香蘭・錦百合　）



子を生さで水栽培のヒヤシンス 　　　　　　　　鍵和田釉子


水にじむごとく夜が来てヒヤシンス 　　　　　　岡本 眸


ヒヤシンスにほふ三時の花時計 　　　　　　　　野入京子


遺失物係の窓のヒヤシンス 　　　　　　　　　　夏井いつき


むらさきの砂の流れや風信子 　　　　　　　　　小菅佳子


乳の香は風信子色汝の辺より 　　　　　　　　　文挟夫佐恵








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不揃ひに咲きのぼりたるヒヤシンス　　　　　　　　矢野愛乃


父の忌や父の好みしヒヤシンス　　　　　　　　　　加来雅子






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