1月 15日

2013-01-14 23:20:48 | Weblog
             ( 小正月・女正月・花正月 )


喪の女鎌倉で降り小正月            沢木欣一


夜をこめて大根を煮る小正月          細見綾子


浅草寺銀座と流れ女正月            阿見理子


囲炉裏にて馬の豆煮る小正月         滝沢伊代次


田に立てて杉の木青し小正月         長谷川 櫂







伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記、伊吹嶺歳時記から転載させて頂いています)  
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



真つ白に百合根を煮上げ女正月         矢野孝子


女正月五彩あふるる京干菓子          小津民子


口中にチョコが溶けゆく女正月          太田滋子


ばらの花朝湯に浮かべ女正月          上杉美保子


古里の土間でこぼこや女正月          伊藤範子




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1月 14日

2013-01-14 00:05:47 | Weblog
           ( 成人の日・成人祭 )


成人の日の躬を緊むる紐いくつ         岸風三楼


足袋きよく成人の日の父たらむ         能村登四郎


道に弾む成人の日の紙コップ          秋元不死男


八方の嶺吹雪きをり成人祭           福田甲子雄


職すでに身につきゐたり成人祭         下村ひろし


伊吹嶺は湖より起ちて成人祭          久野洋子




伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記、伊吹嶺歳時記から転載させて頂いています)  
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あどけなき面影とどめ成人の日         松永和子


成人式羽織着し子の背広し           小島千鶴




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1月 13日

2013-01-13 00:42:39 | Weblog
             ( 福寿草・元日草 )



福寿草ひらききつたりまぶしかり         細見綾子


福寿草家族のごとくかたまれり           福田蓼汀


一輪や元日草の名にかなひ             深見けん二


福寿草母なる子なる蕾かな             山田弘子


門口の土突き上げて元日草             塚田光江


臥すのみの父とてもよし福寿草           毛塚静枝








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野仏に日の惜しみなく福寿草          山本法子


母老いて忘れ上手や福寿草           清水聡子


妻快癒土持ち上ぐる福寿草           武藤光


開かんと押し合ふ蕾福寿草           鈴木真理子


地を割つて光の束に福寿草           宇佐美こころ





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1月 12日

2013-01-11 23:54:07 | Weblog
             ( 雪割草・州浜草・三角草 )



雪を割る力は見えず雪割草          竹下陶子


まだ萼に隠れし花や雪割草          石田波郷


ものの影まだ地になくて州浜草        永方裕子


息止め見る雪割草に雪降るを         加藤知世子


あどけなき丈を束ねし雪割草         山田弘子


奥能登の蕎麦屋に売れる雪割草       坂部尚子


州浜草鞍馬はけふも雪降ると         後藤比奈夫


一鉢の雪割草の野を買ひぬ          蔦三郎










伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記、伊吹嶺歳時記から転載させて頂いています)  
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雪割草咲けりと坂を駆け上る         中根多子


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1月 10日

2013-01-09 23:43:57 | Weblog
             ( 蝋梅・唐梅 )



蝋梅が咲き出しました


蝋梅や軍手で磨く父の墓           大橋廸代


蝋梅の香が勝つてをり初稽古         佐々木六戈


蝋梅や畑に人の動き出す           寺崎春子


蝋梅の香のほどけゐし天神社         濱野ユク


蝋梅や枝疎なる時雨空             芥川龍之介


唐梅の香に触れ鎌倉日和かな         志摩知子







素心(そしん)蝋梅 蝋梅より黄色が際立ち花芯まで黄色で
まさしく蝋の花のようです



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蝋梅を挿して床屋の大鏡          中村修一郎


蝋梅を離れてよりの匂ひ濃し        森田志げを


蝋梅や枝にあふるる金の鈴         岩田啓子




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1月 8日

2013-01-08 13:56:42 | Weblog
             ( 松明け・注連明・松過ぎ )


松過ぎの研究室で餅焦がす        栗田やすし


松過ぎし路地の一灯溝照らし        菖蒲あや


さりげなく妻の外出や松明けぬ       千葉 仁


主婦のひま松過ぎし夜の琴鳴らす      及川 貞



松過ぎや多摩の銘木市ひらく        原嶋明玉


松明けの天の岸辺の嗚咽かな        佐藤鬼房




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松過ぎて静けさ戻り二人膳          岸本典子


松明けの路地賑やかに野菜売        梅田 葵


松過ぎて人の流れに溶けこめり        大石久雄



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1月 7日

2013-01-07 00:08:15 | Weblog
           ( 七日・人日・七日正月 )


七草粥に能登塩田の塩ちらす            細見綾子


七日正月噴湯の虹を窓辺より            臼田亞浪


耳さとくゐて人日の雑木山              菅原鬨也


七種の過ぎたる加賀に遊びけり           深見けん二


人日の手の平に汲む神の水              川島維春


人日の粥さみどりに噴きこぼれ            田中俊尾






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人日のあとの青空瓦葺く               梅田 葵


漉舟の底に陽がさす七日かな            栗田せつ子


人実や鳥獣戯画を見て飽かず            平松公代


人日や香たてて売る京扇子              若山智子



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1月 6日

2013-01-05 23:22:07 | Weblog
               ( 寒卵 )


霊場の瀧に供へし寒卵       栗田やすし


赤玉といへりセピアの寒卵     細見綾子



寒卵売る前掛に包み来て       松本 旭


寒卵コツと割る聖女学院       秋元不死男


大つぶの寒卵おく襤褸の上      飯田蛇笏


寒卵見せて病者を微笑ます      白岩 三郎



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三輪山の祠に赤き寒卵           国枝隆生


寒卵の呑むのど仏二度動き         山たけし


掌に受けてまだあたたかき寒玉子      掛布光子


朝の市産毛貼りつく寒たまご        上杉美保子



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1月 5日

2013-01-05 00:22:54 | Weblog
             ( 寒の入り・小寒 )


寒の富士見る病棟の十二階          栗田やすし


寒に住む鼻柱のみ光らして          沢木欣一


人里に水の音する寒の入り          細見綾子



鎌倉に主ぶりなる寒の入り           石塚友二


小寒や石段下りて小笹原            波多野爽波


浅草や鳩も雀も寒の入り            窪田桂堂


石切の音小寒の谷の中             佐藤由比古








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芋噛んで歯を零したる寒の入り       片山浮葉


白粥の米粒光る寒の入           垣内玲子


水神の御鏡割れし寒の入          奥山ひろみ


小寒や鉄錆しるき大鳥居          宇佐美こころ




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1月 4日

2013-01-04 00:43:07 | Weblog
              ( 四日・羊日・葉牡丹 )



四日より山にひびけや湯揉唄         石田波郷


帰る子を四日の駅に見送れり         船坂ちか子


四日はや釣堀常の日だまりに         徳永佐和女


うとうとと炬燵の妻の四日かな         今井つる女



葉牡丹の渦一鉢にあふれたる         西島麦南


喪ごころや葉牡丹に紅顕ち初めぬ       大石悦子


葉牡丹の生花鉢植客呼べる           水野多美子


葉牡丹の愚直の渦を立てにけり         角川 照子





伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記、伊吹嶺歳時記から転載させて頂いています)  
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積み木一つ仏間に残る四日かな       矢野孝子


羊日の朝餉は粥で済ましけり         藤田岳人


四日はや猿の荒らせしキャベツ畑      矢野愛乃


葉牡丹に触れて婚の荷運び出す       若山智子


葉牡丹の芯までほぐる日和かな       鈴木真理子


朝毎に葉牡丹の紅広ごれり         磯田なつえ



       伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp    
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