7月 21日

2019-07-20 21:01:42 | Weblog
                夏の蝶・揚羽・小灰(しじみ)蝶




     黒揚羽廃墟の城の水汲み場           細見綾子


     魂魄の塔を仰げば揚羽来る            栗田やすし


     夏蝶来伊勢の家並の古格子            矢野孝子


     落日の妙義山背に黒揚羽             奥山ひろ子


     夏蝶の離れては来る矢立句碑           武藤光晴


     影見えて影より大き黒揚羽            梅田 葵


     雲走る三角点に夏の蝶              国枝洋子


     松原や風に吹かるる夏の蝶            夏目悦江


     夏の蝶尼僧の墓に翅休む             太田滋子


     揚羽蝶舞ふ野ざらしの化石林           加藤ゆうや


     松原や風に吹かるる夏の蝶            夏目悦江


     夏蝶が舞へりダヴィンチ最後の地         上田博子



          



     山の子に翅きしきしと夏の蝶         秋元不死男


     夏蝶や水郷の橋みな低し          渡辺初雄


     おのれより巨き影つれ揚羽蝶         福永耕二


     蜜を吸ふ紋鮮やかに黒あげは          右高芳江
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7月 20日

2019-07-19 14:33:42 | Weblog
                  夏休み・夏期休暇・暑中休暇




     キャンパスに山岳テント夏期休暇         栗田やすし


     蜂さされが治れば終る夏休み           細見綾子


     立笛の調子外れや夏休み             中山敏彦


     校庭にベット干しある夏休み           野島秀子


     幽霊画に見入る子泣く子夏休み          上杉和雄


     幼子の歯みがき日記夏休み            小栁津民子


     隣家より朝の音読夏休み             市原美幸


     夏休み長き廊下を車椅子             牧田 章


     遊具みな塗り替へてゐる夏休み          篠田法子


     夏休み人で膨らむ天安門             大石ひさを


     夏休み朝より学習塾灯る             日野圭子


     夏休み子等の狂言声そろふ            市江律子


     貝殻を箱いつぱいに夏休み            井沢陽子



          



     峡の子の栗鼠を飼ひつつ夏休み           加藤楸邨


     瓶ふつて虫をころがす夏休み            桂信子


     黒板にわが文字のこす夏休み            福永耕二


     夏期休暇はじまる黒き汽車に触れ          工藤梓行
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7月 19日

2019-07-18 19:41:26 | Weblog
                  木槿・底紅・木槿垣




     山住みの風呂焚く煙木槿まで          細見綾子


     白木槿盛りの寺や綾子の忌           矢野愛乃


     南吉の句碑に木槿の影ゆるる          市江律子


     流れくる木槿の花の白さかな          長江克江


     馬宿の木戸に枝張る木槿かな          武藤光晴


     歩のゆるき卒寿の母や花木槿          橋本紀子


     咲き初むる真白き木槿母遠し          近藤めぐみ


     白木槿咲きホスピスの友遠し          桜井節子


     人気なき木槿の家を訪ねけり          畑ときお


     木槿垣だけ残りをり生家址           松本栗主


     物忘れ多き日暮れや白木槿           藤田映子



          



     底紅や一村呑みし湖しづか            鍵和田釉子


     木槿咲く年に一度の芝居小屋           加藤泰子


     指切りで別れし駅や花木槿            橋本ひろ子


     墓地越しに街裏見ゆる花木槿           富田木歩


     底紅のびつしり咲いて村密か           鈴木蝶次
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7月 18日

2019-07-17 16:21:26 | Weblog
                蟹・山蟹・沢蟹・磯蟹・蟹の穴・蟹の泡




     草刈つて蟹の横ぎる盆の道            沢木欣一


     幼さの残る子の足蟹這ひて            細見綾子


     山雨来て蟹の這ひ出す山路かな          磯田なつえ


     水軍の墓碑に潜めり赤手蟹            野島秀子


     穴出て小さき争ひ汐まねき            関根切子


     沢蟹の生れしばかりや甘露の井          夏目悦江


     蟹走る潮の引きゆく被爆川            山本光江


     沢蟹が西行水の岩のぼる             中斎ゆうこ


     潮引きし泥地に光る蟹の穴            石川紀子


     求愛の爪桃色に潮まねき             内田陽子


     沢蟹のひそむ平家の隠れ岩            幸村志保美



          



     人を見て蟹逃足の汐干かな            河東碧梧桐


     家にきて新聞紙踏む海の蟹            秋元不死男


     朧夜の岩に出てゐる山の蟹            飯田龍太


     子にゑがきやる青き蟹赤き蟹           福永耕二
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7月 17日

2019-07-16 19:12:55 | Weblog
                 仏桑華・琉球むくげ・ハイビスカス 




     蘂つたひ露の玉落つ仏桑華              沢木欣一


     断崖へ来て海に投ぐ仏桑華             栗田やすし


     壕出でし目にしむ赤き仏桑花            鈴木みすず


     ひめゆりの塔にハイビスカス捧ぐ          武藤光晴


     原種てふ少し小ぶりな仏桑花            中根多子


     軍機とぶ遙拝の地や仏桑花             平 千花子


     水牛の角に一輪仏桑華               丸山貴美子




          



     仏桑華航跡海をまつぷたつ              橋本榮治


     仏桑華汗の眼窩に朱狂ふ               脇野素粒


     坊津に黒潮やすむ仏桑華               矢島渚男


     葉がくれの朱の鮮かや仏桑華             草間時彦


     仏桑華遺影三つ編ばかりなり             福田甲子雄
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7月 16日 後の藪入り

2019-07-15 14:33:48 | Weblog
                   西瓜




     観音に西瓜供へて合掌す            細見綾子


     西瓜の赤封じこめたるガラス函         沢木欣一


     塩田の句碑に西瓜の蔓またぐ          栗田やすし


     病む母へ小さく切りやる初西瓜         鈴木みすず


     声荒げ投売り西瓜割って見す          工藤芳江


     まづ一つ割つて見せたり西瓜売         関根切子


     大西瓜載せて帰りぬベビーカー         小栁津民子


     末生りの西瓜転がるほまち畑          武藤光晴


     故郷の冷たき井戸に西瓜浮く          広瀬多恵子


     朝霧の中より西瓜売りの声           水野雅美



          



     西瓜喰ふ中年の膝丸出しに            菖蒲あや


     西瓜切るぐるりを子等に囲まれて         羽生大雪


     風呂敷に包みて西瓜まぎれなし          飯島正人


     盧舎那佛西瓜まるごと供へられ          津田清子





          


      後の藪入り

      7月16日は後の藪入り。正月の藪入りに対して、盆の藪入りのこと。


     藪入りや彩あでやかにアロハシャツ         吉田北舟子

     
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7月 15日 海の日

2019-07-14 13:22:23 | Weblog
                 夏の海・夏の潮・夏の湖・夏の波 




     巫女が舞う緋の色冴えて夏の海           沢木欣一


     夏潮に足浸けしのみ離島去る            栗田やすし


     夏海の声あつまりて句碑除幕            細見綾子


     夏の海見んとて砂丘ひた登る            下里美恵子


     水平線真青や夏の海暮るる             砂川紀子


     夏海や朱の回廊に釣燈籠              市原美幸


     原色のサーフボードや夏の海            太田滋子


     日の入りしより夏潮の匂ひ濃き           中村清子


     夏の潮白装束の裾濡らす              小田二三枝


     夏潮にジェットスキーの水脈眩し          小栁津民子



          



     石伐りのたがね谺す夏の海              前田普羅


     夏の夜の波止若者等来て占むる            中村汀女


     船に打つ五尺の釘や夏の海              渡邊水巴


     よるべなく光あかるし夏の浜             山口誓子
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7月 14日

2019-07-13 17:51:52 | Weblog
                  パリ祭・巴里祭

         パリ祭の名で知られている、7月14日はフランス革命記念日です




     街灯に細き雨降るパリー祭            下里美恵子


     銀巴里で聞きしシャンソン巴里祭         伊藤旅遊


     スカーフを小粋に結びパリー祭          横井美音


     擦り切れしレコードかけて巴里祭         近藤文子


     シャンソンの歌姫忍ぶパリー際          日野圭子




         



     火を吐いてみせる男や巴里祭            有馬朗人


     濡れて来し少女がにほふ巴里祭           能村登四郎


     パリー祭ワインを飲んでただそれと         山口青邨


     巴里祭前夜の山の小チヤペル            飯田龍太


     巴里祭厠に残る女の香               岸田稚魚


     パソコンの修理修正でお休みしました。ご心配頂き感謝です
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7月 10日

2019-07-09 17:47:13 | Weblog
          最近見つけた花々 

     ① 宝鐸草・狐の提灯(写真は黄花宝鐸草)


     山の辺に狐の提灯綾子亡し            国枝隆生


     坪庭に狐の提灯大井宿              山下智子



     ② 擬宝珠の花・大葉ぎぼし・小葉ぎぼし・花ぎぼし


          


     兄恋ふや遺愛の擬宝珠芽生えたる         矢野愛乃


     鉄柵の透き間に見ゆる花擬宝珠          清水弓月


     水音にそひて歩けり花ぎぼし           日野圭子



     ③ 海芋・カラー・海芋の花


          


     海芋咲く灯台守の官舎跡             幸村志保美


     一日経て一日古りたる海芋かな          渡辺慢房



     ④ 海桐の花・花とべら


          


     断崖に砕ける波や花海桐             横井美音


     潮騒の高まる夕べ花海桐             小原米子


     魚臭き島の夕暮れ花海桐              こころ
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7月 9日

2019-07-08 19:15:00 | Weblog
                浅草寺四万六千日・鬼灯市・酸漿市


   7月9日、10日は浅草浅草寺の四万六千日。このご縁日の日に御参りをすれば
   四万六千日の功徳を得られると言い伝われています。
   雷除けの御守の授与もあります


     ほほづき市のほほづき雨に濡れて来し          細見綾子


     スカイツリー四万六千日の晴れ             佐藤とみお


     風煽る四万六千日の雨                 中山敏彦


     どの顔も浅草の顔四万六千日              こころ

     ( 30代のころ飯田龍太先生の選に入った句です 思い出深い句になりました )



           



     ひしめきて四万六千日のもろびとよ            山口青邨


     鬼灯市見おろし堂に雨やどり               福田蓼汀


     傘を手に鬼灯市の買上手                 水原秋櫻子


     香煙を鳩にも四万六千日                 鷹羽狩行



     
          



     
     
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