チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 133

2019年04月10日 18時17分00秒 | 日記
ネガの整理をしている
というよりほとんど処分
参考資料になるだろうという思いから保管していても結局は見ることない
断捨離専門家に言わせれば3年手に取らないのは捨ててしまうということだが
そうやって見ると「資料」という名のネガや本そして切り抜きなどなど
いまやインターネットの時代で探せば何でも出てくる
そうすると今自分の手元にあるものは不必要なのかもしれないと考え込む
その結果思い切りバサバサ処分してしまった

出版までならなかった原稿がたくさん出てきた
まだ原稿用紙に万年筆で書いていた時代のものだ
処分するかどうか考えて結局捨てようと思っていたキャリー場アックに収めた
読んでいると片付けがはかどらないので斜め読みしてみると
手書きの文章というのは力がある自分で「うまいなあ」と(⌒ー⌒) ニヤリとする

昔手がけたポスターなども処分の対象
ゴミ置き場に持っていったら掃除をしているMさんが(この方のおかげでゴミ置き場が美しく更に匂いもしないいつも感謝をしている)
「この女優さん好きだから頂いていいですか?」
「どうぞどうぞ」
「それにしてこの時代の女優さんは本当に女優というオーラーがあってきれいですよね」
話に花を咲かせていたら
管理人さんも仲間に入り
「私も頂いていいですか?」

ポスターを並べてみながら
「この女優さんたちの着物は全部中谷さん?」
「そうですよ」
「よく似合っているし品のいい着物ですね、この山本陽子さんの渋い着物姿もいいですねなんていう着物ですか?」
「さすがお目が高い結城紬ですよ」
「あの有名な?」

それからお二人を相手に女優さんたちの着物と帯のコーデイネートの話になりまたどこが好きかということで盛り上がり
処分しようと思っていたポスターが思いがけず話の和を広げた
ポスターがおやつ代わりになった
昭和50年代から平成のはじめくらいまでのもの

持ち帰ってかべにはるの?と聞いたらMさんは
「スケッチするんです!」
ちょっとまってとスケッチブックを見せてくれた
「うまい」
休みの日は美術館巡りをするのだけど今月はしばらくこのポスターを見ながら何枚かかきあげます
一度着物の女性を描いてみたかったんですよ

なるほどとチャコちゃん先生いたく納得
このゴミ置き場常に整理整頓されているのはもちろんだが細胞が並んでいるようにカドカドも揃えてある
何もかもピカピカに磨かれていてゴミ置き場なのに深呼吸をしたくなるほどの透明感がある
なるほど画家でああったか

顔を合わせるたびに
「いつもきれいにしていただいてありがとうございます」
というと
「片付けるのが大好きなんですよ」とニコニコしている

疲れが吹っ飛んでいった、これも着物のおかげ

#着物 #女優 #ポスター #ゴミ置き場 #チャコちゃん先生 #スケッチ #中谷比佐子
コメント
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