チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 144

2019年04月25日 14時21分08秒 | 日記
無菌蚕の飼育を始めた「きものブレイン」さんのところへ工場見学に十日町まで
見学に行く前に馴染みの滝澤晃さんの仕事場へ
加賀友禅の勉強をして十日町に戻り独立
地色の美しさと自由自在絵画を思わせる作風が好きで色々難題を浴びせながら染めていただいていた

日本で初めて東京サミットが行われた時
チャコちゃん先生当時主宰していた「女将さんサミット」から各国の名所旧跡そして文化的特徴を振袖の模様にしてそれを各国大統領夫人に送ることにした

当時の外務大臣は河野一郎でこの企画をとても喜んでくれたが
何せ当時の総理大臣の人気が薄く夫人はどの国からもいらっしゃらなかった
しかし贈呈式も華やかに開催してアメリカ、フランスの大統領夫人からは直筆の礼状をいただいた

それはさておき
滝澤晃さんとはまるで世界一周の旅を二人で行ったみたいにあちこちの写真を集め
また文化遺産それ遠くにの名物などを一ヶ月で把握して滝澤晃さんは手描き友禅の技術を駆使して染め上げた
生地はチャコちゃん先生のことだから国産にこだわり
なんと滝澤晃さんは三ヶ月で8カ国の着物を染め上げた(ロシアがその時入った)

「あの時は若かったからね」
「今は?」
「無理!」と二人して苦笑

でもそのおかげで着物は表現が自由でいいということがわかり作風が変わって仕事をしていて楽しい
と言ってくれる
出来上がった数十枚の着物を見せていただきワクワク楽しくなって
あれこれ羽織ってみる

時間があっという間に過ぎて「きものブレイン」へ
こちらも久しぶり
無菌蚕の飼育は1915年からという。先般熊本で見た規模と違い大掛かりだ

岡元社長とゆっくりお話しできたが無菌蚕は蚕のため人類のためという考えが伝わってきた
働いている人たちの希望に満ちた顔、明るくてキビキビした態度、岡元社長の社員に対しての穏やかな接し方
担当者ののびのびとした説明ぶり

「着物文化村」の構想も素晴らしく
初めて無菌蚕の飼育を取材した時の腑に落ちない想いはここでは一掃された
それは命を粗雑に扱っていないということなのだと思う

蚕に菌がつかないようにするため生の葉はあげない
大豆と桑の葉の人工飼料だ
またその人工飼料に合う蚕を学者たちが作り上げた

滝澤晃さんのところで、絽縮緬がなくなった 、塩瀬絽がもう出来ないと素材の心配をしてきたが
こちらでは黄変しない糸づくりに挑戦している

新進の仕事
人の手の挑戦
両極端の仕事ぶりが並行して仲良く生きる時代がやってくる証の二日間だったのだろうか?
整理が必要だチャコちゃん先生‼️

#着物 #滝澤晃 #きものブレイン #無菌蚕 #人工飼料 #
コメント (2)
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