着物が繋ぐもの 127

新しい元号が「令和」と決まり概ね好意を持って受け入れられている
その名前を決める有識者のお一人宮崎緑さんの着物姿に視線が集まっている
「令和」と共に忘れられない姿となるのかもしれない

宮崎さんは大島紬大使で公な場所には大島紬をお召しのようだ
業界にとって広告塔となっているのだろう
今回も白大島着用

さて
着物の形は試行錯誤それぞれの人が自分の着方を提案している
あのロングチョッキは結構呉服屋のおかみさんたちがきているのを見る
また女流染色家にも愛用者がいる
もともと陣羽織の流れだから活動的だ
江戸時代は蘭学者などが愛用していた学者の羽織として活躍

後ろにスリットが入ると馬上に便利
つまりは昔からある形だ
これだと帯もいらないし着こなしは楽であろう

羽織も陣羽織も本来は男物それを女性が着始めたのは江戸も終わり
特に明治に入り女性が社会に出て活躍をするようになって行動的な着物姿になっていく
令和の時代は女性性の時代だとかねてから言われている

衣装だけでなくあらゆる分野に男を凌ぐことが多くなっていくのだろう
その先駆けを宮崎さんの衣装で見ることができるのではないだろうか？

私たちが普通とか常識的と言われる着物の着方は長い日本の歴史の中でもまだ１５０年くらいしかたっていない
それでも
きものの仕立ては直線截ちで布を極力捨てないようになっているl
そういう精神を２０００年繋げて来ている
それが大事なのだと思う

蚕がすべてのことを容認するようにそして黙って受け入れているように
着物もその精神が十分にある

自分の美意識さえしっかりと持っていれば着物は私たちを大きく包んでくれる
全ては自分がどう思うか、どうしたいか、どう自分と付き合っていきたいか
それが一番大事なことであろう

「令和」が万葉時代の文字であれば
その時代の着方が出てきてもおかしくない
平安、鎌倉、室町、江戸と着方が時代によって変化しているけど
布を大切にする心根だけは変わっていない
それは自然素材のものを身につけていたからだと思う

今は石油繊維全盛
形も変わっていくのかもしれない
しかし「令和」という言葉の意味は自然を大事に自然から受ける恩恵を尊重することにある
自然の兆しは自然素材を身につけていないと感じるのが鈍感になる

宮崎さんの着物姿にはそういうことまで感じさせる様々なことが含まれていた

自分の美を大切にする
それが何よりしっかりと丹田に落とすべきだろうな
人それぞれ、でも自分はこれ！という事

#着物 蘭学者#陣羽織