チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 134

2019年04月11日 21時25分48秒 | 日記
今日で三日目の倉庫整理
古い資料が沢山出てきてそれを斜め読みしながらハサミを入れゴミ袋に入れる
写真の類はほとんど整理できた

ところで資料の整理中
大きく深い疑問を持った
元号が変わり天皇陛下の即位式があり更に需要な大嘗祭が今年の秋に行われる
その大嘗祭こそが新天皇陛下にとって最も重要な天皇家の秘儀であると言われている
そのときに収められる

「あらたえ」という大麻の布と「にぎたえ」という絹の布が絶対に必要なのである
(あらたえという字が私のパソコンで出てこないので興味を感じる方は調べていただきたい)
またこのことは古くから忌部一族の当主が中心になり種を植え育て糸にし織って大嘗祭のときに使う
今は徳島県の三木信夫氏が当主として平成と玲和の二回に亘ってそのお役目をなさることになっている

各マスコミはあらたえを「麻」とよんでいるが正式には「大麻」である
大麻はいま日本では栽培が禁止されている
そのためあえて大麻と言えず「麻」といっているのだが「大麻」でなければならない理由は古事記の中にも出ている
太古の昔から大麻は神の依代となり神事には欠かせない繊維である
由緒正しき神社のしめ縄や鈴緒は必ず大麻である
ついでいいえば神事である相撲、横綱の綱は大麻だ

敗戦直後に大麻の栽培禁止を決めた連合軍の魂胆がよく分かる(気になる方は考えてみてください)
その証拠に日本に古くから伝わっていた大麻の種はなくなり交配種の新種が使われる
またすべて忌部の方々の手によって繊維を績む、織るという人たちも今や普通のできる人に委ねられている

またもう一つの「繪服」にぎたえは愛知の三河地方で作業されているが
蚕は交配種であり繭は乾繭でしかも動力で織っている

新天皇陛下の儀式だけは古代からの作法そのまま受け継いでおられるが
其処に必要なものはどんどん近代化されている(というより目的から外れてきている)
こういうちぐはぐなことでよいのかと思ってしまう
形だけが残りなんのために「これ」が必要なのかという根本となるところが崩れて行っているけど

幸い若い人たちがなんとかきちんと残さなければならないと行動を始めた
江戸時代以前の蚕の存在、またいきなり高い熱で繭を乾かし中の蛹を殺傷するのは明治に入ってからの作業であり動力で布を織るのも明治以降であることを若い人たちは知らない

即位行事が平安の時代を模範に粛々と古式に則っているのなら
付随するものも古式通りでないと儀式とは言えないのではないか

まだ江戸時代以前の蚕の飼育をしている人がいるので件の若者をその方に引き合わせようと思う

この裏の話はここには書けないので直接聞きたい方は「比佐子つれづれ」か「ナイトコスモス」へ

#比佐子つれづれ #ナイトコスモス #大嘗祭 #大麻 #麻 #着物 #繭 #蚕 #交配

コメント
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