チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繫ぐもの 224

2019年09月10日 09時56分30秒 | 日記
二十四節気の「白露」を過ぎても連日35度という猛暑
白露を過ぎたら単を着るという着物のセオリーもこの気温の前に萎えてしまう
しかし
こういうことを見越していた我が先祖は「絽紬」とか「絽縮緬」、「楊柳」「紗袷」「倭文」「絹縮」「縦絽は」など微妙な素材を着る人に提案してきた。
人の肌と絹の微妙な風合いをよくよくわかっていた先人たち
いまは
化学繊維に慣れ親しんだ肌にはこういう微妙な風合いを感じる皮膚感も衰えている。日本人なら季節と折り合う皮膚感を大事にすることは、自分自身の内面の思いを素早くキャッチすることにもつながる

それにしても
この暑さ洋服の人は夏服ノースリーブ半パンという出で立ちでも奇異には感じない。このスタイルを持ち込んだのは台湾の女性たちだと記憶する
真っすぐ伸びた足を短パンで強調させて歩いている。男もそうだ半パン男は台湾の人というふうに方程式が出る

いつの間にか日本の女性たちにもこのスタイルが蔓延し着物のセオリーを考えることがバカバカしいと思う人も確かに増えている
だからといって着物を短く着るという勇気は持ち合わせていない

ふくらはぎくらいまでの短い着物の着方は最も古い一般人の着方、お袖も筒袖で動きやすく可愛い、座敷草履を履いて動き回る
思い切ってこのような着方をするときは素材をいいものにすると姿がよく見える。帯は幅広のベルトも調和する

いま一般的な着物の着方はよそ行きつまり正装としての着方だ
その着方をさらにがんじがらめに補正をして動きにくくすればこの猛暑に耐えられない

着物は本来涼しく温かい
これは自然を素材を身に着けてこそ味わえるもの

季節と着物の着方のセオリーを守るか
気温で着る着物を選ぶか
今やそれぞれ自由でいいと思う 着物は自由で開放的であるという基本さえ押さえていればいい

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コメント
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