チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 220

2019年09月03日 17時53分51秒 | 日記

紅花の収穫が終わったと連絡があった

紅花は暑いさなかに借り入れし、寒の水が最も冷たい時に染める

朝紅花あのはなには棘があるので未だ朝露が降りている間に花だけを摘んだ後直ちに花びらに水を撒きに昼夜寝かせます。「花の寝床」色っぽい

紅花は積んだ時は花びらは黄色なのに寝ている間に発行して紅く変幻、なんとも怪しげ。さらに発酵するとジャムのようにグニャグニャ。

そうなると臼に入れて杵で叩き潰し「紅花餅」をつくる。

 

団子状に丸めたものを莚に並べ、その上にまた莚を被せ素足でむしろに乗って足で踏みながら平らにして、紅花餅の出来上がり

 

この紅花餅dができればが出来ればいつでもどこでも染められるがこの手法が一般化したのは江戸時代に入ってから

万葉集にある紅花染めは花弁から直接染めていたので,手間もかかり紅く染まるまでどれだけの材料が必要だったことだろう。限られた階級の人しか着られなかった。今でも天皇陛下の大口袴や襟の紅絹はその時代の名残といえよう。

そういう中で日の丸の赤の尊さも改めて感じる

紅花餅が出来たのは藍玉の発酵と似ているので江戸時代は本当に日本文化の根っこが完成したのだと感じる

さて

花で直接染めた頃はきっと暑いさなかに染めていたのだろう

人間の進化の中で保存を考える知恵が出てきたことはひとが「考え付く」ことができるからだ。そしてもっと手間暇かからない化学染料の開発のおかげで、染め作業は格段に楽になった

 

しかし

植物からのエネルギーをいただくという一番大事なことは消え失せる

今でもこの江戸時代の手法で紅花餅を作っている人が山形にいる。京べにと言われている口紅はこの紅花餅で作る

 

紅花餅を使って溶かして烏梅で色染めして紅花染めは出来るが、ここまでの手仕事を続ける人はもう稀だ

て仕事だから良い  というのではなく、紅花の命のことを考えたら江戸時代から続けられた手仕事が最 も 紅花の生命を生かしたものになり、それはまた人の健康(血流の流れが良くなるとか体があったまるとか)にも貢献してくれる

 

来年小寒が過ぎたら染めに入る

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