空々しい

家を出た時も雨は降っていたが、駅まで傘を差さずに済ませた。途中、雨の量が増えていくのを感じながらも、ただ傘を出すのが面倒なだけだったが…

道すがら花に目を遣る。10月半ばを迎えてもまだ花開く姿に、立ち止まる僕は何を見たかったのだろう。

ふと、昨日の痛ましいニュースを思い出した。岐阜で解体中の建物壁が倒れ、通行中の女子高生が巻き添えになり亡くなられたという。「ご冥福をお祈りします」という言葉も空々しく流れていくようで、使いたくない。だが、気持ちを表す言葉は他にあまりない。

それにしても、プロの仕事にしてはあまりにお粗末な事故だ。そんな事故に阻まれた彼女の将来を思うと、「残念」という言葉も軽い。

何ともやりきれない事故だが、せめて業界として原因追究と再発防止がしっかり行われることを願う。