乃南 アサ著 「幸福な朝食」を紹介します。
第一回日本推理サスペンス大賞、優秀作。
芸能人を目指していた高校生の沼田志穂子であるが、彼女にそっくりな柳沢マリ子というアイドル歌手が先にデビューして人気を博してしまう。
志穂子もそれに続こうとするが、あまりにもそっくりなため、断念せざるを得ない。
そして時は過ぎ、人形使いとなっている34才の志穂子は、再び柳沢マリ子に出会う。
マリ子より先に志穂子がデビューしていれば、マリ子と志穂子が似ていなければ、結末はどうなっていたのか。
あの男との出会いから、心の底の凍てついた狂気がゆっくりと溶けはじめる・・・。
乃南アサのデビュー作。
ミステリーと言っても、謎解きの方ではなく背筋が凍る系です。
こんな人が身近にいたらかなり怖い話。